鳥取熟年大学(鳥取県人会の熟年層勉強会)の生徒たちが、さきごろ、野外授業ともいうべき、佛光山如来寺へのピクニックを行った。寺院はサンパウロ市から二十八キロ、コチア市にある。台湾系の国際仏教会の経営といわれ、二年前から本格活動している▼生徒たちの感想は「明るい」「現代的だ」「こんな大きな寺は初めて見た」。日本のいわゆる従来の「お寺」が念頭にある人にとっては、びっくりの施設である。仏像はくすんでない。セラミカで、きらびやかで派手だ▼本堂はある。納骨堂もある。人工的な庭には蓮(はす)の花が植栽されている。そして、レストランも設備されている。訪れた人にはここで食事をしてほしい、ということだ。観光地的だと思うのはこのあたりだ。献立のなかに肉、魚肉類はない。野菜、豆腐、麺類、米飯が主体。しきたりは守られているということか▼学僧といったらいいか、研修僧というべきか、若者たちが随意に学ぶことができる。教授科目の一部に、生命学、生死学、生活学、共生学があるときいた。この四つのうち、後の二つは、いかにも現代的である▼寺は、付近の低所得層のこどもたちに給食を行っていた。非行に走らないように、との教えを込めた活動であるのはいうまでもない。「共生学」の実践でもあろう▼仏教は時代とともに、あるいはブラジルへ来れば、変わるのである。また変わらなければ続かない。鳥取熟年大学の生徒たちは、それを学んで〃下山〃したのであった。(神)
05/3/23