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ブラジル人不法滞在者58人を検挙=入国管理局員の買収失敗を機に=米国

3月19日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十八日】米国出入国管理局はマサチューセッツ州で十七日、五十八人のブラジル人不法滞在者を検挙した。そのうちの一人三十八歳の男性は、官吏買収未遂、不法就労、不法雇用の罪が確定すると二十年以上の禁固刑となる。残りの五十八人は収容施設に送られた後、強制送還になるものとみられている。
 この摘発で、同地区に居住している八千人から一万人と言われるブラジル人不法滞在者は検挙をおそれて、職業としている家政婦、大工、ガルソン(ウエイター)などの仕事を一斉に休み、終日家に閉じこもった。
 男性はミナス・ジェライス州出身で、妻と知人数人の米国永住権、グリーンカードを取得するため管理局員を計二万九千ドルで買収しようとしたもの。現金受渡し場所で現行犯逮捕された。男はモグリのクリーニング店を経営し、ブラジル人数人を雇っていた。
 ほかに逮捕された五十八人はいずれもミナス州で同男性のもとで働いていたが、集団で密入国した。男の取調べで、スーパーで不法就労していることが判明し検挙された。
 仕事にも行けずにいる不法滞在者らは、明日の生活にも困るとした上で、「ブラジル流のワイロがアメリカで通用すると思ったら大間違いだ」と憤りをあらわにしている。
 アメリカへの密入国はコヨーテ作戦と呼ばれ、メキシコまで空路入りし、そこから「死の砂漠」と言われる地帯を徒歩で横断する。これまでブラジル人三人がここで死亡している。費用は一人八千レアルから一万レアル。メキシコで所持金を奪われ泣く泣く引き返してくる人も多いという。