議員室経費、25%増額へ=下院=議長が音頭取る=表決抜きの執行部裁量=名目は議員補佐の質向上
3月18日(金)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十七日】下議のベアが流産したことから、カヴァウカンチ議長の音頭で下院執行部は十六日、下院議員室の経費を三万五千三百五十レアルから四万四千百八十七レアルへと、執行部の裁量で二五%引き上げることを決めた。この予算は、公務員試験を受けていない議員補佐の給料や議員室の諸経費に支払われる。下議は議員室経費の他に給料や州事務所経費一万五千レアル、議員宿舎経費三千レアル、交通費一万五千レアルを支給される。
下議の補佐は最低五人、最高二十人まで採用が許されている。補佐らの給料は平均で、二千六百十レアルとなっていた。それを平均四三・七五%引き上げるというものだ。
下院議員室の経費増額の他に上下両院職員、会計検査院(TCU)職員の一五%昇給分四千四百二十万レアルの裁可も迫られ、ルーラ大統領は年間で総額一億三百万レアルの予算追加攻勢に遭っている。
日進月歩の技術革新と世界情勢が急変する時代、議員補佐のレベルアップと下院の質向上がクーニャ前議長時代から求められ、下院議員室の経費増額案は四万五千レアル案が検討されていた。現議長が急いで提案したのは、下議らが補佐として親族や名義賃貸人を採用しないよう先手を打つためとみられている。
下院では、議員室経費を私費や蓄財に流用する議員が多かった。下院には世故に長け、立ち回りの上手な者が幅を利かしていた。これらグループに不公平な予算配分が行われるのを防ぎ、ガラス張り管理を行う狙いが下院議長にあった。
ブラジル全国から選出された下議には、目から鼻に抜けた者や過疎地の州から来た内向的で世渡り下手の議員もいる。従来の予算割り当て方式は不公平であると、議長が不満を抱いていた。今回の議員室経費増額案は、下院本会議の表決を経ずに執行部七人の裁量で、立法行政上必要と認め満場一致を以て決定された。
下院執行部は経費の増額とともに補佐を最高二十人から二十五人に増員し、下議の補佐が研究調査や担当分野を拡げる案を本会議に図らず実施することを考えていた。しかし、補佐の増員は本会議の審議が定められているので、経費増額だけに止めた。
下院議長の議員お手盛り案は、カリェイロ上院議長の拒絶で下院も上院も遭難した。上院議長に見事一杯食わされたカヴァウカンチ議長は二日、上院議長に後日必ずお返しをすると、ヴィレラ上議の自宅で会合のおり直接伝えた。下院議長は、地元への予算獲得で割りを食う議員がおり、お手盛り案でなだめる考えだった。
しかし、国民は納得しないと思われる。下議は給料一万二千八百四十七レアルの他に、議員室経費として四万四千百八十七レアル、州事務所や交通費、議員宿舎費、通信費など合計で八万九千二百四十九レアルを毎月受け取っている。