3月18日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十七日】サンパウロ市中心部の市庁前で十六日午前、スト決行中のペルエイロ(乗合マイクロバスやワゴンの従業員)の抗議集団が、警官隊と衝突し付近一帯は混乱に陥った。集団は走行中のバスやシャッターを降ろした商店に投石し、シャッターを足蹴にするなど暴徒化した。このため数人が逮捕された。
いっぽう、市内各所で十三台の路線バスが焼き打ちにあい炎上した。ペルエイロのストで市民の足が奪われ、路線バスは超満員の状態でかなりの遅れがでた。また市内の道路では今年に入り三番目の渋滞を記録するなど混雑をきたした。
ペルエイロらは市が乗客一人につき一・一〇レアルの従来の報酬を〇・七〇レアルに引き下げたことに抗議してストを決行した。これにともない市庁前で抗議集会を開くため、お茶の水橋(ヴィアドゥット・ド・シャー)の車両の通行を封鎖。この違法行為を解除するために出動した警官隊と衝突した。デモ隊は投石を始めたため警官隊はガス弾で応酬し、付近は混乱を極めた。
いっぽうで別の集団は、リベロ・バダロ通りやパトリアルカ広場で走行中のバスに向けて投石を始めた。このためバスは停車を余儀なくされ、乗客は降りて逃げまどった。
また商店は軒並みシャッターを降ろしたが、暴徒化したデモ隊にシャッターを壊された商店もあった。ちょうど昼食時だったことから、レストランや軽食店は用意した食物がさばけず被害甚大だった。商店側は市に対し賠償や対策を求める意向を示している。
いっぽうで市内各所、とくに南部地区を主として十三台のバスが焼き打ちにあった。警察では犯人グループの割出しと動機について解明を急いでいるが、目撃者によるといずれも覆面をした人物がガソリンみたいなものをまいて火をつけたという。ほとんどが走行中に停められ、乗客を降ろしてから犯行に及んでいるが、なかには乗客が車中にいるのに、火をつけられたバスもあった。
また〃スト〃が抜き打ちだったことから、市民の足が混乱した。バスも増便の措置を取れずに超満員となり、バスに乗れずに遅刻する乗客が相次いだ。要所の道路も渋滞し、今年三番目、百三十五キロの渋滞を記録した。