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暗黒街で強制立ち入り検査=違法建築物など摘発=麻薬、偽造品も多数押収=サンパウロ市

3月11日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十日】サンパウロ市当局は九日、市内中心部のクロコランジアと呼ばれる一帯で強制立ち入り検査を行い、違法建築物などを摘発するとともに、麻薬や偽造品多数を押収した。この一帯はイピランガ通りとリオブランコ通りに沿ったジェネラル・コウト・デ・マガリャンエス通りを中心として、これまで無法地帯あるいは暗黒街と呼ばれていた。
 今回の摘発は、捜査令状を手にした市当局職員を先頭に、軍警や市警の機動隊、違法建築物や火災の危険度を検査する消防隊、衛生状態を調べる保健所職員や医師などが参加した大がかりなものとなった。市当局は一帯を清掃してから塗装を行い、街灯も完備して明るくするとしている。
 今回の摘発で五軒のホテルが閉鎖され、三軒に改善命令が出された。閉鎖されたホテルはすべて営業が続行できないよう入口がレンガで封鎖された。また二軒のバールやレストランも閉鎖、十一軒に罰金が課せられた。さらに十二人が麻薬不法所持の現行犯で逮捕された。
 このほか、ホテル内の部屋から四百二十六袋のコカインや、四千三百枚の偽造CDやDVDが見つかった。いずれも持ち主は外出していた。ホテル側はいちち入室カードを作成しないため、持ち主は不明となっている。
 この一帯は売春でも有名で、売春婦は白昼でもあふれている。プログラムは三十レアルが建前となっているが、十レアルまで下がる。これらを目的としたホテルは一時間二レアルが相場となっている。
 閉鎖されたホテルに泊っていた売春婦は、仕事から戻ったら入口が封鎖されて中に入れず、消防隊がハシゴで窓から入り、彼女の持物を取り出す一幕もあった。
 立ち入り検査はこれまでにも行われ、多数の身柄が拘束されたが効果なく、また元のもくあみに戻るのが現状だ。先週の摘発ではナイジェリア人を主とした七十人が不法滞在で拘束され、同時に六百六十三人が市の収容施設に送られた。このうち未成年者四人が麻薬販売で逮捕された。
 これまで最も規模が大きかった摘発は一九九八年一月に行われたもので、二十四時間で二千四百人が収容され、十五人が現行犯で逮捕、五人の脱獄囚が拘束された。また三十五人の未成年者が更生施設に送られた。