3月9日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙八日】中銀が四日に発表した為替システムの規制緩和が各方面に好意をもって迎えられ、週明けの七日、金融市場は活気づいた。
即座に反応を見せたのがブラジルのカントリーリスクで、三百七十五ポイントに低下。これは一九九七年十月二十三日以来の低いレベルとなった。またサンパウロ証券取引所の平均株価は〇・八八%、Cボンドは〇・〇六二%上昇した。ドル相場も〇・八七%上げて一ドル=二・六七九レアルとなり、一月二十五日以来のレアル安となった。
ただしドル高については今回の中銀措置の詳細発表が今週末で、実施が十四日以降となることから、投機筋や企業の動きはなく、専ら中銀の外貨準備金備蓄用ドル買いが行われたためとみられる。(関係者はドル安に対する中銀の買い支えとみている。)
今回の措置の主な点は、為替決済期限を一律二百十日間として、輸出業者はこの期間中、輸入業者の支払い如何にかかわらず自由に手形決済ができる。これにより資金繰りとドル相場をにらみながら有利と思える時点でレアルに換金して入金できる。従来の規制を廃止し、複雑な手続きも取り止めて簡素化するもの。
またこれまで、フローティングレートと商業レートを設定していたが、今後は一本化する。さらに外国送金を自由化した。これまでは利益送金や外国への投資は上限を五百万ドルとして事前に中銀のチェックを受けていたが、これもまた簡素化するもの。このほかサービス業の外国からの送金、とくに観光業の前受金制度も確立した。
全国輸出業協会は、為替決済期限を三百六十日とするよう要請していたが、今回の措置でも十分メリットがあるとして歓迎している。制度の簡素化にともない、さらに輸出に注力できるとの見方を示している。ドル安の採算割れで輸出を断念し、従業員の解雇も視野に入れていた企業も再考の余地が出てきたとの考えを強調している。