3月9日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙八日】サンパウロ市は市内バス路線の統廃合を含むバス運行システムの変更を年内にも実施する計画だ。交通局は現在六十人の職員を動員してバスの運行状況を調査中で、今月末以降変更対象路線の検討に入る。
変更は、二〇〇三年五月に実施された二百三十路線の廃止の際に発生した混乱を繰り返さないよう、徐々に行われる予定。「現行の運行システムは合理性を失いつつあり、変更は避けられない」とブシンジェル交通局長は話す。
前市政が築いた現行システムでは、市内を八ブロックに分割し、その中で主要路線と地域路線が設定された。地域路線はマイクロバスが担当、乗客をターミナルまで運び、そこから中心部まではバス(主要路線)が輸送を受け持つ計画だった。しかし実際には理想どおり分担されているわけではない。
サンパウロ市東部のある地域ではバスとマイクロバスが同じ路線を運行し、混雑時が過ぎると乗客を取り合う状況が発生している。しかしどちらかに統一すると、混雑時に対応できない恐れもある。
分担の問題に加え、地域によりバスの運行本数に偏りがあったり、地域担当のバスが市中心部にまで乗り入れたりといった問題も起こっている。同局長によると、全路線の八割以上が何らかの形で運行基準を守っていないという。主要路線で十五分、地域路線で二十分以上乗客はバスを待たないという基準もうやむやとなっている。