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違法本国送金、30億ドルに=外国企業が主役=出稼ぎビジネスに新手口=合法的送金も昨年22%増

3月8日(火)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙六日】外国企業によるブラジルへの違法送金が年間三十億ドルに達することが五日、ブラジル中央銀行と米州開発銀行(BID)の報告の誤差から判明した。連邦警察は二〇〇四年、多数の為替業者を国内で摘発したが、ロンドンやニューヨークで営業する外国企業の顧客筋からの違法送金には何ら効果がなかった。外国に居住するブラジル人のブラジル本国への送金は、銀行を通さず違法ルートで行われたものもあることが明らかとなった。
 欧米や日本に居住するブラジル人二百万人の合法的本国送金が、〇四年に二二%増加して二十四億五千九百万ドルに達した反面、違法ルートで三十億ドルが国内へ入った。この数字は、実際にはさらに上回ると推測される。この種の違法送金を扱う外国企業は違法ルートのメカニズムを常用し、外国で就労するブラジル人の資金を運用している。
 外国で同取引はマネーサービス・ビジネスと呼ばれている。例えば日本へ出稼ぎに行ったブラジル人が一定金額を日本の同種企業に手渡すと、同額がブラジルの本人指定口座に為替業者から振り込まれる。銀行は一切介在しない。
 違法ルートを通じた場合、足跡が一切残らない。脱税など違法資金を外国居住者名義で送金するには、格好のルートとされている。外国居住者のブラジル人は本国送金の報告義務がない。
 外国ではドルや外国通貨で受け取り、ブラジルではレアル通貨で口座振込、または指定人に現金で支払われる。英国最大の同種企業LCCトランスセンディングのブラジル支店は、合法取引だとはばからない。
 外国では、正式に銀行へ入金される。英国では合法取引であり、サービスは完ぺきという。顧客が何らかの違法行為の嫌疑を受けて、迷惑を被ることはないと保証した。この種の送金を扱う企業が急増し、世界中に支店を開設している。
 ニューヨークのUNOマネートランスファーは、世界に大規模なネットワークを持ち、ブラジルにも代理店を持つ。そしてウニバンコやメルカンチル銀行、レンジメント銀行などと業務提携を結んでいる。代理店や業務提携先との間には、持ち株システムなど業務関与はないという。
 しかし、外国からの違法送金は最近、激増している。BIDの〇三年のデータによれば、外国居住ブラジル人が五十二億ドルをブラジルへ送金した。中銀は同年、二十億一千八百万ドルしか入金していない。差額三十二億ドルは銀行を通さず違法ルートで入ったか、ブラジル以外の国へ送金した可能性もある。
 外国居住ブラジル人の多くは経済難民で、違法滞在者や密入国者も少なくない。出稼労働者のほとんどは、収入の一〇%以上を留守家族へ送金する。送金料が安く為替交換率が高い、出来るだけ有利な送金方法を選ぶ。安全であれば合法か違法かは頓着しない。
 英国の場合、ブラジル系銀行は送金料を二百ポンド以下の送金に、協定価格の五・九九ポンドを徴収する。マネートランスファーは初回が無料サービスで、次回から二ポンドを徴収する。