3月8日(火)
東京、パリ、ニューヨークを叉に掛けて活躍するブラジル育ちの日系カメラマン、ノブオ・タカノさんが、先月二十五日から十七日までサンパウロ市に滞在している。
今回タカノさんは、ペンタックスフォーラムが主催する写真展に出展する作品を制作するため、来伯した。同写真展は、ペンタックスの最新デジタル一眼レフカメラ「istDS」のPRを目的に企画されたもの。さまざまな分野の第一線で活躍する著名プロ写真家の一人として、日本人カメラマン三十七人とともにタカノさんも選ばれた。
「ブラジルが大好き。僕の原点はやっぱりブラジル」と言い切るタカノさん。ハイクオリティーな描写力を誇る最新カメラを使って表現するのは、やはりタカノさん自身の個性ともいえるブラジルのトロピカルな色彩感覚だ。「モデルのオーディションをして、グアルジャーの海岸なんかで撮りたいな」と構想を練っている。
また、幅広い層から支持を受けるカメラ専門誌、月刊「日本カメラ」五月号(四月二十日出版)には、パリの地下鉄を背景に撮影したファッション写真が八ページに渡って掲載予定となるなど、注目度は高い。
パリで生活していると、パリのどんよりとしたイメージが写真にも表れてくるというタカノさん。しかし、「僕はブラジルから出た日系カメラマン。ブラジル色が僕なりのカラー」とあくまでもブラジルらしさを前面に押し出したい考えだ。
「いつかはブラジルに戻ってきて、ブラジル写真界に貢献したい」と考えているそう。今後は、「写真を勉強したくても学校へ行くことのできない人々に展望を開いてあげたい」とも語るように、社会貢献も視野に入れた活躍が期待できそう。