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コラム 樹海

 日本の人口は幕末の頃で三千万人と推定されている。今が1億二千六百万人だから約4倍になったわけだが、世界の人口も右肩上がりに増え続けている。目下は約65億人もの人間を乗せて地球も余りの重さに喘ぎながら歩いているが、2050年には約91億人に膨らむそうだ。チャドやコンゴなどアフリカ諸国の増え方が急であり、日本やドイツ、イタリアなどは減少するらしいが、それにしても人口増の重みは加速するばかりだ▼国連の調べによると、2000年から5年間で約3億八千万人もが増えるそうだし、とりわけ開発途上国の伸びが激しい。サハラ以南のアフリカやアフガニスタン、東ティモールなどでは人口が最低でも約3倍増になるという。現在、開発途上国の人口は約53億人だが、これからの45年間で約78億人に増加すると見ている。一方の先進国は今と状況が変わらずに約12億人で推移する見通しだという▼世界の平均寿命も年々高くなっている。1950年―55年には46歳であったのが2000―05年には64歳に延びているし、国連の推計では45年―50年には更に延びて75歳に達すると予測している。こうした長命の傾向は好ましいのだが、食糧や電力などのエネルギーなどが新しい課題として浮上するだろうし、大きな政治問題となるのは間違いない▼高冷化も進んで60歳以上の人口が現在の6億七千二百万人から50年には19億人と約3倍になると予想されているし、こうした対策をどうするかの課題も生まれてくるだろうし、人口増加がもたらす政治・社会的な問題は際限もなく広がる。 (遯)

05/3/8