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鉄鋼製品、ゼロ関税へ=15品目対象に=国際価格高騰に対処=政府、6カ月間効果見守る

3月5日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙四日】鉄鋼製品の世界的な需要増加でインフレへの影響を懸念した政府は三日、十五品目の輸入鉄鋼製品に対するゼロ関税措置を決定した。鉄鋼の輸入自由化は、財務省と貿易会議所(CAMEX)が音頭を取り、関係閣僚六人の出席のもとに決定された。ゼロ関税となる鉄鋼製品は、自動車用、工作機械用鋼板や食品包装用ブリキ板など。政府関係機関は六カ月間決定の効果を観察、評価する予定とした。
 国内市場における鉄鋼製品価格の値上がりは、ルーラ大統領も全国工業連盟(CNI)のモンテイロ会長との会合で懸念を表明していた。現在の一二%から一四%まで課税されていた鉄鋼製品の価格が、ゼロ関税措置により安定するかどうか、パロッシ財務相は一定期間見守る。
 メルコスル関税協定でも、ゼロ関税化した鉄鋼製品十五品目は例外措置とされる。同協定では、加盟国に百品目についての例外措置が認められている。二十品目は、六カ月毎に変更できる。政府関係者は十五品目を変更した後の六カ月間で結論を出すのは期間が不十分で、ゼロ関税の効果が確認できるのは一年後としている。
 効果のないことが分かれば、六カ月を待たずに次の手が打たれる。国際市場の鉄鋼製品価格は異常に高く、国内への跳ね返りはまだ予測できない。ゼロ関税措置は、国際価格の影響を和らげる効果はあってもゼロにはできないとみられている。
 また信じ難いが、鉄鋼製品の価格高騰は、政情不安に悪乗りした国際カルテルの仕業という風評もある。また、密かな鉄鋼原料の取得競争による価格の吊り上げといううわさもある。
 国内製造業では自動車と家電製品が原料高を理由に、三月に価格調整を予定している。政府のゼロ関税措置により、国内メーカーは外国から廉価な鋼板を輸入するよう変更したようだ。自動車製造業界は二年前、鋼板は生産原価の一五%を占めていたが、現在三三%になったと訴えた。
 鉄鋼価格高騰の波に乗ったヴァレ・ド・リオドーセは、世界第二とされるフランスのアルセロール製鉄と熱戦を交わし、鉄鉱石価格の七一・五%値上げに成功した。リオドーセは二〇〇五年、営業利益が二倍の百三十億レアルに達すると見込んでいる。鉄鉱各社は〇五年に過去最高の営業利益を得ると銀行筋はみている。
 鉄鋼製品価格の高騰で各社は、大規模な設備投資を行い、採掘能力の拡大を図った。一〇年には、鉄鉱石輸出は八十五億ドルに達する見込みだ。アルセロール製鉄がリオドーセに煮え湯を飲まされたのは、中国向け鉄鉱石輸出で同率の調整が成功し、自信をつけた後でタイミングも悪かった。
 ブラジルの鉄鉱石は現在、四〇%が欧州向けに輸出されている。アルセロールは、ブラジルのトゥバロン製鉄やベルゴ・ミネイロ、アセジッタに資本参加して支配下に置き、ブラジル産鉄鉱石の上顧客となっている。
 ブラジルの鉄鉱各社は、欧州市場の相場を販売価格の基準としている。〇五年の輸出総額は、〇四年の四十七億ドルプラス七二%の、八十二億ドルに達するとみられる。