3月5日(土)
オイスカ・ブラジル(高木ラウル会長)が米州開発銀行(本部・ワシントン)の無償資金協力を得て、二〇〇〇年から実施しているメルコスル農業後継者育成プロジェクトを修了し、社団法人・国際農業者交流協会(本部・東京)の受け入れのもと、昨年四月から日本で実技研修を行なっていた六名(ブラジル四名、パラグァイ二名)が、約十一ヵ月間の研修を終えて二十八日、帰国した。
帰国したのは、エステバン・ラモン・ロメロさん(26、パ)、アルセニア・マレコス・カレテロさん(27、パ)、ダニエロ・イサム・クラドミさん(23、ブ)、マルガレッテ・バルボーザ・アラウージョさん(20)、シルバニ・ペレイラ・ソウザさん(22、ブ)、マリ・エステラ・シルバさん(21)。六名は、山梨県と神奈川県の農家で野菜や果物、花卉の栽培などに携わった。
「ほんとにおもしろかった。いろいろ勉強しました」とシルバニさんが切り出すと、他のメンバーも日本での体験を生き生きと話し始めた。「日本の畑はブラジルに比べてすごく小さい。でも、テクノロジーがたくさん詰まっている」とマルガレッテさん。マリさんは、「日本で学んだ技術全部を、そのままブラジルに生かすことはできない。でも、日本のことをよく見て考えて、ちょっとアレンジして使いたい」と、今後の抱負を語った。
農業研修だけでなく、日本の生活や文化も学んだ。アルセニアさんはホームステイ先の家事を手伝い、「日本食も作れるようになった」と満足気。静かに過ごす正月や富士登山、スキーは初めての体験だった。
最後は、「また日本に帰りたい」と全員が口を揃えた。