県人会というのは、どうしてこうも似るのだろうか、とちょっと可笑しくなった。米国サンフランシスコで発行されている邦字紙『北米毎日』の一月半ばから二月にかけてのコロニア・ページに「県人会の新年会」開催のニュースがひんぱんに取り上げられた▼同地にブラジルと同様、全都道府県の県人会があるかどうか明らかでないが、すべての県人会が新年会をやっているのがわかった▼状況はこうだ。総領事館から領事を招く。おそらく同じ県の出身者なのだろう。高齢者(敬老)表彰を行う。寿司、餅で会食してカラオケを楽しむ。他県人の参加を拒まない。飲む酒も日本酒の種類が多いのが違うだけで、あとは同じ訛(なま)りのおしゃべりなど、同様だと思われる。新年会は、会議でないから、肩へ力は入らない。だから、和やか▼『北米毎日』では、県人会の総会のことはほとんど記事にならない。登録団体・公認団体などにしてないからだろうか。その点、ブラジルのほうが力み(りきみ)が感じられる。いわゆる「事業・会計報告」「事業案・予算案審議」というやつである。善し悪しではないので、どちらでもいいが…▼ただ、団体の金庫におカネがあったり、残ったりすると、どうも騒動が起きがちだ。新年に入って、そんな〃もめた事件〃を二、三聞いた。会長の椅子の奪い合いが生じ、いかにも醜い。ハタから面白がられるようではいけない。県人会の新年会のような平和な雰囲気が何にも増して貴重なのである。(神)
05/3/4