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コンピューター15台など押収=サントス銀元頭取宅=不正貸付資金の流れ解明

3月3日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二日】連邦検察庁と連警はサンパウロ市で一日、サントス銀行元頭取の自宅と倉庫で差し押さえ物件を押収した。自宅からは十五台のコンピューター、現金四千ドルと七万レアル、金塊、外国銀行の小切手などを、またジャグァレーヌにあるコレクション倉庫からは一千点以上の美術品を押収した。元頭取は落ち着いた紳士的な態度で応対した。
 サントス銀行は昨年、経営破綻(はたん)が表面化し、合併や吸収もかなわず再建も無理と判断されたことで破産を宣告した。十一月から中銀が管財人となり破産処理を行っている。元頭取は財産没収が宣告された。今回の差し押さえ物件の押収はその一環。
 検察は破産責任のほか、横領、公金横領、公金横領、不正貸付、資金洗浄の容疑で元頭取をはじめ家族や経営陣を起訴するべく証拠収集に当たっている。とくに公金横領については社会経済開発銀行(BNDES)からの融資金十五億レアルのうち三億レアルが使途不明となっており、残りの不正貸付と合わせ立件を急いでいる。今回押収したコンピューターはその不正貸付された資金の流れを解明する一環としている。
 さらに検察は、証拠物件として中銀がサントス銀行の内部を調査した報告書の公開を求めるとしている。これは銀行法で機密扱いとされ、一般には公開されていない。
 いっぽうで元頭取、家族、元経営陣の銀行口座の明細公開の許可を裁判所に求めた。しかし関係筋は、この種の犯罪は財産を外国に流出させたり、ペーパーカンパニーと呼ばれる架空の会社名義にしたりするので立証は困難だとみている。
 サンパウロ市モルンビー区の元頭取の自宅は時価五千万レアルと言われているが、一審の判決が出るまでは元頭取に居住権がある。