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サンパウロ州政府がプレゼント=100周年に桜並木を=国際協力銀行=JBIC森田副総裁来伯=チエテ川改修工事を視察

3月2日(水)

 日本政府や日本移民に感謝して、百周年には州政府がチエテ川岸に桜並木を――。現在来伯中の森田嘉彦国際協力銀行(JBIC)副総裁が二月二十八日、チエテ川流域環境改善事業とメトロ四号線の工事現場を視察した。その時に、ジェラウド・アウキミン州知事が随行し、サンパウロ州市民を代表して日本政府の協力に感謝すると共に、州エネルギー局長からそのようなアイデアが語られた。
 アウキミン州知事は「洪水が起こらない三年目を迎え、水量許容量も二倍になった。これは当初の目的に違うものではない」と事業の成功を確認。今回の第二期工事により、川底は平均二・五メートル深くなり、川幅は以前の二十六メートルから四十五メートルに拡大した。
 一行は六キロにわたってチエテ川を船にのり、川底にあった七百五十万立方の土砂のうち、八〇%を取り除いてある現状を視察した。
 現在の二期工事には八億五千万レアルが投資されており、うち七五%がJBICからの融資、残りの二五%が州政府の自主財源だ。六カ月三十日には二期工事が終了すると州政府の広報が報じた。
 事業では川溝を掘り下げる工事も含まれており、土砂崩れを防ぐため川岸をコンクリートで補強、「二十五キロにわたる川岸を公園にし、二十メートルおきに、二千五百本の大木を植えていく」と説明した。
 森田副総裁は視察中、桜の植林の可能性について尋ね、同行していたマウロ・アルセ州エネルギー局長は「桜を百周年に合わせて植える」と約束。同行していた上田達生領事が桜の説明を付け加えたという。
 アウキミン州知事は、「日本人は一世紀にわたり、ブラジルとサンパウロの発展に貢献してきた。〇八年には百周年を迎える。今日でもJBICは三つの大きな事業に融資してくれている」とコメントした。
 森田副総裁は「三年間も増水がないというのは、工事が順調な証拠。投資が活用されていることに満足している」とチエテ川工事の進捗状況を印象深げに話した。
 その他、一行はCPTMのルス駅やメトロ四号線のイジェアノーポリス駅を視察した。四号線はルス、レプブリカ、パウリスタ大通り、ピニェイロス、ブタンタンなどをつなぐ。第一期工事は〇八年に竣工予定。