3月1日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十八日、アゴーラ紙二十六日】カルドーゾ前大統領が汚職を働き、自分はそれを隠したとするルーラ大統領の発言を受け、前大統領の所属するブラジル社会民主党(PSDB)は二十五日、ルーラ大統領に背任罪の疑いがあるとして、調査するよう下院議会に要請した。
カルドーゾ前大統領は二十五日、ルーラ大統領に発言の撤回を求め、前政権の汚職の具体的証拠を示すよう期待すると述べた。
前大統領に対する攻撃は二十二日夜、労働者党(PT)閣僚と同党幹部との会合で周到に準備されていた。前大統領は下院議長にカヴァウカンチ下議を当選させる作戦の指揮をとり、現政権の基盤を崩しにかかったと大統領府はみていた。PSDBに好意的だったパロッシ財務相も攻撃には賛成していた。
しかし、ルーラ大統領が即興で前大統領の汚職に言るが、時折、自分が行き過ぎることに全く気づかない」と、問題の演説を直接聞いた某政治家は話す。シナグリーア下議(PT)は「大統領は何も言わない方が良かった」と、発言が混乱しか引き起こさなかったことを認めた。
PSDBを筆頭とする野党は、下院議長が背任罪の調査のため、特別委員会を設けるよう強く働きかける方針だ。しかし、連邦最高裁判事によると、ルーラ大統領の政治追放は理論的にはありうるが、実現の可能性はほとんどないという。