2月26日(土)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十五日】基本金利(SELIC)を六カ月間続騰させた中央銀行は二十四日、金利引き上げに終止符を打つことを示唆した。二月の通貨政策委員会(COPOM)議事録は情勢の好転に伴い、三月に一九・二五%への調整が最後になる見通しを示した。二〇〇五年下半期にはインフレが沈静化するとみて、金利を引き下げる方針だ。広範囲消費者物価指数(IPCA)は十二月の〇・八六%から、一月は〇・五八%へと下がった。
中銀は現在の金利水準がインフレを抑制するには十分であるとみなしたようだ。三月の調整を最後に、当面金利引き上げはないとするCOPOM議事録を公表した。中銀のサインは、サンパウロ証券取引所の平均株価四・五五%高と、〇四年五月以来の活況を蘇らせた。金利先物も年末もので、一八・九九%から一八・七〇%へと下げに入った。
為替市場はドルが一・五%上げ、二・六三三レアルに付けた。中銀議事録の内容は、効き目のないドル介入より強力な効果があった。高金利政策の終焉で、高金利を利用した外資導入も、国内外の金利差取引もまもなく終わる。そのため外資流入の流れに歯止めがかかるとみられる。
メイレーレス中銀総裁は、COPOMは市場を強気にでも弱気にしたのでもないと政策変更を否定し、現行路線の続行を強調した。しかし、〇四年九月以来、抑圧され窒息寸前にあった国内経済は、ようやく息を吹き返した思いでいる。
サンパウロ州工業連盟(FIESP)の生産統計では、一月に景気の陰りが明らかになった。動きは平静を保っているが、十二月から一月にかけての生産減少は前年のそれより大きく、景気拡大の終わりを明らかに物語っていたとFIESPはいう。
インフレも沈静化した。ジェトゥーリオ・ヴァルガス財団は、総合市場物価指数(IGP―M)が一月の〇・三九%から二月には〇・三〇%へ低下したと発表した。スーパーの平均物価は一月、前年同月比で〇四年の九・九四%から五・二四%へと下がった。これは、経済の地盤沈下を示している。
それでも中銀は、経済が上昇気流にあると主張する。消費者の購買能力は高く、インフレを押し上げる力があるとしている。消費者の購買能力の背後には、政府経費の放漫的増加がある。これは中銀も認めている。政府経費を決済するために、基本金利を引き上げてきたのは事実だ。
政府経費の増加には、外資導入が必要とされる。外資導入は国内経済や消費市場を刺激し、物価の引き上げにもつながる。インフレ抑制は、政府経費の増加という元凶を退治する必要がある。金利引き上げはインフレ抑制とともに経済成長率も抑制し、消費も減退させる。
PT政権の二年間、公務員の給料はインフレ率プラス三百億レアルと膨張した。ここには財政の均衡努力が見られない。経済成長に伴った経費の増加は理解できるが、政府は経済成長の保証もなく経費をたれ流している。
〇五年の連邦政府の人件費の増加傾向は目に余る。政府は健全財政の手綱を放したようだ。消費市場にインフレがあるなら、その原因は政府経費だという財政専門家の見方がある。