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9カ月連続で失業率低下=平均所得も減少=若者層の失業が増える=サンパウロ市

2月25日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四日】サンパウロ市の一月の失業率は一六・七%と、過去三年間で最低を記録した。これにより失業率は九カ月間連続で低下したことになる。しかし、いっぽうで平均所得も減少した。
 サンパウロ州データ分析システムが調査したもので、一月の失業率は十二月の十七・一%より更に低下し、二〇〇一年一月の一六・三%に次ぐ一六・七%となった。十一万人余が自宅静養や旅行などで過ごしたため、もし彼らが就職していたら失業率はさらに低下したとみられている。
 例年は年末商戦が終わり一月に入ると、臨時職員も含めて失業が増加するが、今年はその傾向が見られず、昨年の経済成長の余韻が残っているとの見方を示している。しかし失業者は百六十五万九千人を数え、十二月より五万九千人減ったものの、まだ課題を残っている。
 工業部門での一月の新規雇用は三万一千人で、全雇用数の二%に相当し、一九八五年以降最高となった。輸出企業の雇用の伸びが目立った。商業部門は二万四千人、建築部門が六万四千人、サービス部門が四万六千人だった。これに対し同システムの専門家は、昨今のドル安や金利高と合せ、今年のGDP(国内総生産)成長率が三・五%から四%と見込まれていることから、景気は後退し向う二カ月間は失業が増加するとみている。
 いっぽうで所得については十二月までのデータしか発表されていないが、十二月度の平均所得は千十三レアルで、前月の千三十四レアルから〇・四%減少し、二〇〇三年十二月の千六十レアルより四・四%減少した。これについては雇用の増加をにらみ合わせると、高給取りを解雇なり減額し、低い給料での雇用が増加したためと分析している。
 IBGE(ブラジル地理統計院)によると、これまで四十歳以上に多く見られた失業者の年齢層が、十八歳から二十四歳までの若者層に変わってきているという。二〇〇三年に全国のこの年代の失業者は一八%に達し、他の年齢層の九・七%のほぼ倍となった。最も多かったのがリオデジャネイロ州(二四・七%)で順にサンパウロ州(二一・二%)、エスピリト・サント州(一六・九%)ミナス・ジェライス州(一六・八%)だった。雇用は商業とサービスが五一%と半数を占めた。また十七歳以下の雇用は農業部門が三三・四%と最も多かった。