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今後も格を保ちたい=経営者交代あいさつ=レストラン「サントリー」

2月23日(水)

 三十年続く、サンパウロ市で最高級の日本食レストランといわれる「レストラン・サントリー」の経営者が一月末から交代した。
 日本から駐在している元代表取締役、嵐潤也さんは「二つのファミリーに救って頂きました」と要約する。買収したのは植木茂彬元鉱山動力大臣と子息ダニエルさん、商議所顧問弁護士の佐伯ジョルジさんと息女ナンシーさんの四人が新オーナーとなった。
 「近日中に店名も別のものになる」と嵐さん。ダニエルさんと共に経営責任者となったナンシーさんは「昔からのクライアントの要望に応え、サントリーのコンセプトを残し、伝統的な料理メニューや手法は変えません。サービスの質は良くなりこそすれ、悪くなるようなことは絶対にありませんので、ご安心ください」と語った。
 同レストランが華々しくオープンしたのは一九七五年。同社ウイスキーを現地生産するにあたり、商品を広めるための広告塔として開店した経緯がある。そのため、九〇年にウイスキー部門が撤退した時、すでに役割を終えていたという。
 本社の方針により、同直営レストランだった欧州四店舗、オーストラリア二店舗、米国二店舗を閉鎖してきた。その流れから「サンパウロはいまが潮時か」という判断になったよう。買収先を探している段階では、スーパーになる話まであった。それを「救った」のが二家族だった。
 「料理人、従業員はそのままですから、同じクオリティのサービスを提供します」とダニエルさん。いずれは、新商品発表会や文化イベント会場として店内を使うなど、若干の路線変更も計画する。