2月19日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十八日】州立未成年者支援財団(FEBEM、少年更生施設)は十七日、職員や警備員千七百五十一人の大量解雇を発表した。これに代わり二千三百七十九人の新規採用を公募することも明らかにした。
解雇されたのはビラ・マリア・タトゥアペ、フランコ・ダ・ロッシャ、ラポーゾ・タバレスの職員らで、これまでひんぱんに脱走や暴動、収容者への暴行が繰り返されてきた責任と施設内の体質を是正するためのもの。とくに是正を指導する教官は、暴行や虐待の疑いでほとんどが解雇された。
同財団によると毎週教官による暴行などの訴えが相次いでいたという。警備員も同様で、少年らの不満が募り暴動の原因となっていた。これまで施設の長官十数人が更迭されてきたが、昨年八月に就任した現長官は、上層部の入れ替えでは解決にならず、古い職員や警備員のしきたりやなれあいを一掃するため改革を実施すると公言していた。
新規職員は公募して来月中に採用を決定するが、教官は大学卒と限定し、筆記および面接試験を行う。無犯罪者で採用後、一定の期間研修や実習が行われる。警備員は高卒以上で、ヘルメットと制服を使用し、なれ合いや暴行を避けるために日常は収容者との接触はさせないとしている。
同財団によると、今回の措置で時間外労働の超過手当を含む人件費など、年内千二百万レアルが節約できるという。今回の解雇者には規定の退職金と手当が支払われるが、暴行や虐待の罪で逮捕された十七人と同じ容疑で取調べを受けている三十七人は、免職処分となる。
解雇は予期されたもので、今回の発表で動揺はみられなかった。労組は施設前での抗議集会を召集したが、参加者はまばらで盛り上りに欠けた。解雇者リストに名を連ねた労組幹部は二十一日からストライキ入りを宣言した。また、不当解雇として争う意向を示している。
法務関係者は、解雇は使用側(施設)の権利で正当な理由と支払いを表明していることから、一部を除いて法的には問題ないとの見方を示している。また、人権擁護局や民間団体も施設内の改善と収容者保護という大義名分がある以上、今回の措置には賛成との態度を示している。