2月12日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】マルタ前市長の在任四年間に財政赤字は八十五億レアル増加した。五日付サンパウロ市ジアーリオ・オフィシアル(官報)の収支決算で明らかになったもので、これにより支出は収入の二・四倍となった。市の支出の許容枠を限定する法律では収入の一・七倍までとしており、これをはるかに上回った。
本来ならば法律違反で前市長は責任を問われ、罰則の適用対象となるところだが、二〇〇三年の上院決定で四月三十日まで罰則が凍結されたため、前市長は罰を逃れた。五月一日からは新市長にツケが回ることになる。
収支決算によると、昨年の支出および債務総額は累計で三百十五億レアル、収入の百二十九億レアルの二四三%となった。支出の許容枠はこれでいくと一七八%の二百三十億レアルとなる。さらに前出の法律では、旧市長が新市長に政権を引き継ぐ時点での債務の繰越を禁止しており、債務に相当する準備金を残しておくことを義務付けている。
これについてマルタ前市長は、短期債務三億七千九百万レアル相当は残したと公表したが、新政権の調査では短期分八億五千七百万レアルと長期分を含めた債務総額は十八億七千五百万レアルに上るとの見解を示した。また、十二月分の支払いは完了したと言明したのに対し、新政権は一月に支払いを実行しており、前市政権の発表に食い違いが出ている。
借金を背負ってスタートしたセーラ市長は、収入が頭打ちなのに対し、市の発展にともない支出は増える一方で、債務は雪だるま式に増えるとした上で、支出を規制する法律は見直すべきだとの認識を示した。
同市長によると、規制を算出する指数は国内物価指数が基になっているが、これには為替相場や価値修整などが加味されている。実数はインフレの公式数値となっている消費者物価指数を適用すべきだという。また同指数には金利も含まれているが、除外すべきだと見方を示した。金利は二〇〇二年から現在まで六%から九%へと大幅に引き上げられており、中銀筋ではさらに引き上げの意向を示している。これについて同市長は連邦政府と上院で交渉の場を持ちたいとの意向を明らかにした。