先月半ば行われた「ふれあいセミナー」(日本語センター主催)の一参加者の感想文を読んだ。初体験で緊張したことが生き生きと書かれていた。初々しくて、面白かった▼セミナーは、足掛け四日間の団体行動だった。団体行動がどういうものか、体で覚えさせるメニューが盛りだくさん。主催者が企画の際、さまざま検討していることが察しられた。少年少女、参加者だけのふれあいでなく、おとな社会とのふれあいもあり、その着想はなかなかいい▼セミナー初日、参加者の中に行儀の悪いのがいた、というのが取材記者の印象だった。頭髪を染めているのは、流行?だから、ともかくとして、着席した前の椅子に脚をのばしていたりしていた。パラグアイとボリヴィアの生徒らの行儀がよかったので、ブラジルの一部の生徒の不行儀は目立ったようだ▼セミナーは行儀を躾るのが目的でないというのなら、それも致し方がないか▼地下鉄でリベルダーデに行って食事をした――という文章が感想文のなかにあった。雨の中、メトロの駅入り口にペタリと座り込んで、弁当の箸を使っていたのが、参加者たちだったか、と後で思い当たった。ブラジル社会では、揃いのTシャツ着用で、ああした格好で食事するのは、異様といえるだろう▼代表を立て、近くの長野県人会事務所あたりに、部屋を三十分ほど貸してもらえまいか、と交渉に行ったら訓練になったに違いない、よしんば断られてもそれが社会勉強だろう、と思ったりした。(神)
05/2/11