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ブラジルで女を磨きたい=鹿児島県鹿屋市の農業研修制度=20代女性3人来伯 県人農家が受け入れ

2月10日(木)

 昨年から始まった鹿児島県鹿屋(かのや)市の「ブラジル農業研修制度」を通し、大山桜子さん(27)、入田順子さん(25)、垂脇千春さん(25)が三日来伯した。三カ月から半年間の短期研修で、三人は二期生となる。意気込みなどを聞いた。
 「コーヒー屋さんで働いていました。本場の飲み方が知りたい」と語るのは大山さん。来伯は初めてだが、インターネットを通して日本でもピンガを購入していたというから驚きだ。「ブラジルと言えば陽気なイメージ。でも、その裏の面も見たい」とも。
 入田さんは四年ぶり三度目の来伯。高三の時にフォルタレーザ市の学校に一年間留学していた。「いい友達が一杯できて、国民性に惹かれました」。留学した時の思い出が忘れられず、再び旅行でも訪れた。「今回はサンパウロという大都市、そして農場でまた別の友達をたくさん作りたい」
 垂脇さんがブラジルに興味を持ったきっかけは、弟の誠さん(22)だった。誠さんは現在、日本ブラジル交流協会二十四期生としてサンベルナルド市役所で研修し、同市の日本語学校「アルモニア学園」の学生寮に住んでいる。
 「弟が日系社会にお世話になっているということを聞いて日系社会のことを調べました。鹿児島県人は農場から逃げだす人が目立ちましたが、一方で結束したのも早かった。この人間くささに打たれた」
 鹿児島県では県民の移住史についての研究があまりすすんでいないという。「将来は日系移民の研究で食べていきたい」と意気込む垂脇さんは、帰国後鹿児島の大学院に進む。
 到着したその日の夜に、同研修制度の第一期生など、サンパウロ市周辺に住む鹿児島県人の若者十数人が集まり歓迎会を行った。
 その席で垂脇さんは誠さんと一年半ぶりに再会。ブラジルでの生活も十カ月が経ち、成長した弟を目の当たりにし「うれしい」と涙を流していた。
 三人は同市出身の園田昭憲さんが所有するアチバイア市の茸農場で現地労働者に混じって働くほか、毎週土曜日の夜はサンパウロ市リベルダーデ区にあるレストラン「歩栄野」で接客をしながら、移住者や日系人のことを学ぶという。
 四月八日には長期研修生二名も来伯する予定だ。