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コラム 樹海

  今年もまたカルナヴァルがやって来た。サンバやアシェ、フレ―ボが鳴り響き谺する。研修に来聖している若い同僚の女性は、観光向けのサンボドロモは嫌い―とサルバドールに飛ぶ。こちらはTV観覧だが、確かに―街を激しく踊りながら練り進む伝統的なサルバドールは魅力的で親しみが沸く。それにダンスというよりはアフリカ的な強靭さを感じる激越さがいい▼腕や手と指の激しい動き。腰を低く落としての脚の素早い動き。アフリカ系の若い男と女がアシェにあわせて踊る。それはブラジルというよりは、祖父や祖母の祖国であるアフリカの大地で舞う―そんな情況である。あの敏速で激しい踊りは日本人にはちょっと難しい。そんな気持ちにさせるところが、世界の人々を引き付ける。今や、リオの観光カルナヴァルをも凌駕する勢いなのも頷ける▼サンボドロモが有名になりすぎてしまったが、リオにしても20数年前にできたものであり歴史的には新しい。その頃に見物にと出掛けたのだが、あの華麗さと踊りは抜群であった。山車の豪華さや複雑な作りに驚嘆しもする。観覧席を埋める人々は定年を過ぎたと思われるアメリカの老夫婦やヨーロッパ勢が多い。なるほど―「観光カルナヴァル」かと実感したものである▼近年はサンパウロも頑張っているがリオほどの熱はない。それでも人気は高く日本からもご婦人方と申すか若い女性が押しかけガンザを鳴らし、レピニキを叩き、跳んだり撥ねたりと忙しい。マカコ・ヴェーリョからは「ペチャパイ」とかのお小言もあるようだが、まあ―ここは大いに楽しみたい。  (遯)

05/2/8