2月5日(土)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙四日】ブラジル地理統計院(IBGE)は三日、二〇〇四年の雇用創出は成果を収めたが、日雇い労働者が増加し平均所得は悪化したと発表した。〇四年十二月の時点で、サンパウロ市やリオ、ベロ・オリゾンテ、ポルト・アレグレ、レシッフェ、サルバドールなどの主要都市だけで最低賃金以下の労働者が二百七十二万二千人おり、前年同月より一九・三%増加した。最低賃金以下の労働者の全体に占める割合は、一四%となった。
最低賃金以下の日雇い労働者は、〇三年十二月の二百二十八万一千人から〇四年同月には二百七十二万二千人へ、最低賃金以上の労働者は一千八百八十九万二千人から一千九百四十九万八千人へと三・二%増加した。
〇三年十二月に最低賃金以下の労働者は、全体の一二・一%だった。解雇旋風が吹き荒れ失業者が巷間に溢れた〇二年、最低賃金以下の労働者は全体の八・三%だった。この統計は労働者の台所に木枯らしが吹きすさみ、暮らし向きは一向に良くなっていないことを如実に語っている。
雇用は創出され失業は減少したが、所得は七年間年〇・八%の割合で縮小した。日雇い労働者の増加は国民貧困化の一面といえる。雇用創出には一応の成果はあったが、国民の平均所得は下降線をたどり、日雇い労働者の増加に拍車をかけた。一方、労働市場には新たな労働力が加わり、世帯主の収入は年々減っている。
失業後、減給に甘んじる労働者も増えた。これらは、女性や有色人種、非正規労働者、露店商、行商人、無許可営業など底辺の人々だ。経済活性化の恩恵はここまで届いていない。
日雇い労働者の増加とは逆に、雇用創出が組織的に進行中とIBGEはみている。露店商や行商人が使用人と労働契約を結び、正規に登録する傾向が出て来た。これまでになかった現象だが、注目に値する。これまで看過された業種にも、人材が輩出していることを物語る。
全国主要都市で正規に登録を行った労働契約は、前年比四・二%増加した。数にして三十一万人となる。独立営業へ踏み切った起業家は、ほぼ同数を保っている。非正規雇用の増加は五・五%とやや下火になったが、正規雇用に較べて増加率がはるかに高い。
全体に占める正規雇用は〇四年が三九・五%、〇三年の三九・一%よりやや上昇したが、〇二年の四一・四%より低い。請負制や歩合制の従業員も、〇三年の二〇・五%から〇四年は一九・八%に減った。
ドル安の影響で最低賃金が初めて、ルーラ大統領の公約した百ドルに達した。最低賃金百ドルといいたいが、所得の回復とも購買力の向上ともいえない。ドルが続落するなら、最低賃金が百ドルを越える。五月に三百レアルへ調整するなら、さらに膨れる。前政権の為替固定性では、最低賃金は百八ドルだった。為替変動性に変更されてから最低賃金は五十ドルに暴落していた。