2月5日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙四日】一九九六年にオザスコ市のオザスコ・プラザ・ショッピングで起きた爆発事故の過失責任を問う控訴審でサンパウロ市高裁は三日、起訴された経営者ら五人に対し無罪の判決を言い渡した。一審では全員有罪となったが、それを退けた逆転判決となった。検察は最高裁に上告できるが、それについてのコメントは避けた。
一九九六年六月十一日、同ショッピング地階で突然大爆発が起きた。爆発で広範囲にわたり建物が崩落、四十二人が死亡、三百七十二人が重軽傷を負うというショッピング史上最悪の惨事となった。事故当日は恋人の日の前日で、プレゼントを買う客で平日より賑わっていた。警察は事故原因を、地下を通るガス管でガス漏れが生じ、これに何らかの形で引火したものとしている。
これに対し検察は、爆発は経営側の管理および建設工事のミスが原因だとして、経営者と総務担当重役をそれぞれ、重過失傷害および致死罪の重刑で起訴した。また工事ミスの責任として建設を請け負った建築会社の技術者三人を過失の容疑で起訴した。
起訴状によると、経営者らは以前からガス漏れの報告があったにもかかわらず放置しておき、技術者らは規格に外れた建材を使用したという。これを受けて一九九九年の一審判決は検察の言い分を認めて、経営者ら二人に禁固八年、技術者ら三人に執行猶予付き禁固二年の有罪判決を言い渡した。
これに対し控訴審で被告側は、事故原因はガスの配管と設備を施したガス会社ウルトラガスの工事ミスと主張。ガス漏れが判明した事故発生の十日前に同社に出動を要請したにもかかわらず、処置が施されなかったと反論した。高裁はこの主張を受け入れると同時に、検察側の主張を証拠不十分として退け、全員を無罪とした。
ショッピング側ではこれまで見舞金として被害者に総額百万レアルを支払っているが、これも含めた賠償金をウルトラガスに請求するとの意向を明らかにした。また被害者側も見舞金が少額だったことから、改めてウルトラガスに賠償金請求の訴えを起こす動きを見せている。