2月4日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙三日】ルイス・F・フルラン産業開発相は二日、〇五年下半期には再度活気を取り戻すと、高金利政策で景気の陰りを見せ始めた産業界を励ます声明を発表した。全国工業連盟(CNI)調査による経済成長の後退と在庫増加発表に続き、ジェトゥーリオ・ヴァルガス財団(FGV)も向こう六カ月間の耐久消費財市場の冷え込みを発表した。産業界は〇五年早々の基本金利引き上げで折角回復した景気にブレーキがかかるのではと意気消沈しているようだ。
CNIの発表に続き、FGVも景気の後退を明らかにした。高金利政策の影響は、特に自動車などの高額耐久消費財に顕著であるという。フルラン産業開発相は景気後退の暗雲が見え始めたいま、高金利がブラジル産業界の活力を削ぐことはないと国民を励ました。企業家は難局を乗り切り、景気回復を支えることを信じると宣言した。
同相は、CNIやFGVの悲観的発表に動じないという。基本金利の引き上げが経済活動の縮小を引き起こすのは自然現象だが、それで経済が崩壊するわけではない。年内に景気後退をはね返すだけの体力がブラジル経済にはあると同相は訴えた。
基本金利は〇四年一月まで下げたが、一月から下げ止まり、生産部門は成り行きを危ぶんだ。しかし、〇四年中頃から、経済が上向き始めた。当時の景況が現在の状況に似通っていると同相はみる。産業開発省は当時の状況を再現するため、経済活性化のための政策方針作成に努力していると述べた。
現在の状況は、自動車が走行中にトラブったものだという。エンジンの調子を調整すれば、〇五年中頃から経済は順調に動き出し、力を発揮する。同相は入閣以来、ブラジル経済は天国と地獄を交互に行き来していると述べた。
同相の経済理論によれば、インフレの多少の再燃なくして国内需要は育たないし、国内市場に支えられる輸出も伸びない。〇四年の経済は、それを証明したものだと述べた。国家財政を優先して輸出に力を入れ、国内に消費物資を不足させたら、驚異的インフレが起きる。だから、その中間を取るというのだ。
またドル安が部門によって大きな打撃を与えていることを、同相は認めた。大豆の場合、国際相場は暴落し生産資材が暴騰したため生産者が辛酸をなめている。部門により、対応策の敏速な変化が求められる。輸出部門の中でも、被害が甚大なものや工夫次第で続行できるものとがある。為替対策や金融対策の工夫で難局を乗り切るよう薦めた。
為替差損の大きいのは、製靴部門とされる。特に一足十五ドル並みという低価格の大衆向けの靴は厳しい。世界の物産展に出品されるブラジル製の靴が年々高級化し、一足四十ドルで売り出されているのは賢明だと同相は称賛した。
世界の高級ブランドが最近、ブラジルへ下請けに出すようになった。ブラジルの技術が認められたのだ。従来のルートにばかり頼っては価格調整は困難だが、海外の新市場ではドル安への対応は容易である。また世界共通価格のコモディティ取引も、ドル安克服は難しい。