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農産物収穫、過去最高の予測=インフレ抑制に大きく貢献

2月4日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十八日】今年の農産物の収穫量は一億三千四百九十万トンで、昨年度の一億一千九百万トンと比べ、一三・三%の増加となる。ブラジル地理統計院(IBGE)が予測したもので、これは史上最高となる。昨年は天候不順や国際相場の下落などで生産が低迷し、二〇〇三年比三・七%の下落となったが、今年は回復すると見積っている。
 この収穫増がインフレを大きく抑制する要因になると同院は指摘する。農産物の供給と価格の安定化で消費者物価の高騰が防止できる。例えば米の今年の生産予測は一千三百万トンで、ブラジルの年間消費量の一千二百万トンを上回る。
 また、大豆に次ぐ生産量を誇るトウモロコシは昨年比四・六%増の三千二百五十万トンと予想され、国内農産物収穫の三五%を占める。これは鶏と豚の主要飼料の安定供給とコストダウンにつながり、鶏肉や卵、豚肉の消費者物価の安定あるいは引き下げで、インフレ抑制に大きな影響を及ぼすと指摘している。
 インフレもさることながら、大豆に代表される農産物の輸出がブラジル経済に貢献している。昨年度は〇三年比四・三九%減の四千九百二十万トンにとどまったものの、今年は昨年比二九%増の六千三百四十万トンと予測されている。これは国内農産物生産の四一%に相当する。昨年来、国際相場は下落傾向にあるが、これは農産物全体の傾向であり、大豆生産者の意欲を削いではいない。特にサンパウロ州を含む中西部では今年、六・四%の増収が見込まれている。