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豪雨と突風で各地に被害=10人死亡、数十家族が避難=不安定な天候は週末まで続く

1月19日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十八日】寒冷前線の北上に伴って発生した低気圧による集中豪雨や突風のため、各地で被害が続出した。これまでに十人の死亡が確認されたが、負傷者と合わせ犠牲者はさらに増えるとみられている。このほか土砂崩れや水害の危険があるため、数十家族が避難を余儀なくされている。気象庁によると、この天候は今週一杯続くとの予報で、当局では注意を呼びかけている。
 サンパウロ州北部海岸のウバトゥーバ市では十六日夜から十七日未明にかけて五時間にわたって降り続いた雨で百人以上が避難した。降雨量はこの間七九・六ミリに達し、当局は注意報を発令した。同市プルバ海岸から十六日午後に海釣りに出た四人の観光客が行方不明となった。折からの暴風雨で帰還できなかったためで、二十時間にわたる捜索の末、軍警ヘリコプターが沖合いの島の樹の上に退避している四人を発見、無事保護した。
 プライア・グランデ市では降雨で市内各道路は水位が一・五メートルまで上り、まるで川の有様となった。リオ・サントス国道では崖崩れが発生し、十六日夜に通行止めとなった。サン・セバスチオン市では十五家族が床上浸水で避難。バーレ・ド・パライバ地方のクルゼイロ市では七十二時間で八十八ミリの降雨があり、隣接のカショエイラ・パウリスタ市とともに、警戒注意報が発令された。サントス市でも土砂崩れの危険から注意報が出された。グァルジャ市では十四カ所で地滑りが発生、四十五家族に避難命令が出た。
 ゴイアス州では十六日夜、ブラジリアを結ぶ国道二一三号線が川の増水により、幅三十メートルにわたって陥没した。この事故で通行中の車三台が土砂に呑みこまれ流されたとみて、消防と警察は捜索を続けている。これまでに幼児を含む三人の遺体を収容した。これにより、隣接するカルダス・ノーバス市では上水道が破壊され、飲料水の供給がストップしている。同市は温泉地で、ホテルには観光客が多数宿泊していることから、市は給水車で水を補給している。
 いっぽうミナス・ジェライス州の国道では雨で視界が利かず二件の交通事故が発生、二歳の子供を含む九人が死亡、二人が負傷した。
 アマゾナス州マナウス市では時速百二十キロの突風が発生し、樹木が倒れ各地で停電となった。