1月19日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】レアル通貨の高騰で輸出不振が憂慮される中、中央銀行のメイレーレス総裁は十日、対米輸出が二一・五%と米国への依存度の低いブラジルへのドル安の影響は少ないと反論した。
世界の有力銀行が、対米輸出に依存するアジア諸国やメキシコ、EUの一部が、ドル安による影響を大きく被るとする報告書を発表した。しかし、そこにブラジルの名前はなかった。
カントリーリスクの面でもドル安は有利で、大量の外資流入が見込まれると総裁は見ている。世界の金融システムの中で、ブラジルは国債のリスクが低いとされ、途上国の模範という。世界の投資家が、中銀の通貨政策を見直していると自画自賛した。
米政府が財政赤字の是正に取り組み始め、グローバル金融市場には明るさが出てきたと総裁はみている。どこの国でも均衡財政は経済安定の常識だが、米国の財政赤字は限界にあった。二〇〇五年は、米国の財政立て直しで世界各国の経済成長と国際貿易の動向に明るい兆しが見え出したという。
金融市場ではスプレッド(利ざや)取引が減少、価格の上下幅、リスク・プレミアム、実勢金利が低下した。原油高によるリスクも追々低下する。米国が財政健全化への意欲を見せたので、ドル通貨の復活とEUの世界経済けん引が期待されると総裁は述べた。