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エタノール売込みへ=農務長官ら民間使節団 東京で技術的説明=大統領訪日の下準備 日本側「現実知って」

1月15日(土)

 五月のルーラ大統領訪日を前にして、アルコールやエタノール利用に関する技術的説明をする民間使節団が、今週から訪日を始めた。サンパウロ総領事館や、今回の使節団のコーディネートをしたジェトロ・サンパウロから周辺事情を聞いてみた。
 メンバーはペトロブラス、ブラジル農務省の砂糖アルコール局のアンゲロ・ブレッサン長官はじめ、自動車工業会、大学教授ら十三人。来週十七日から東京で約一週間の予定で、通商産業省、環境省を表敬するほか、自動車関連業界団体やメーカー、石油関係企業や業界団体、商社などと懇談し、ブラジルの持つアルコール利用のノウハウなど、商談以前の、主に技術的な説明を行う。
 昨年九月の小泉首相訪伯時の首脳会談で、幾つかの疑問が呈されたことを受け、ブラジル側から技術的な説明をする申し出が行われ、今回の使節団派遣となった。
 大統領訪日時には、エタノールが話題に上がることが予想され、その下準備的な意味合いが強いと思われる。エタノール輸出に関しては、ブラジル側報道には楽観視や過熱気味な雰囲気が見られがちだ。それほど盛り上がっているわけではない日本側からすれば、温度差のある正確な現状を見てほしいという期待も、一部にはあるようだ。
 というのも、万が一、大統領が過剰な期待をもって訪日し、失望する結果になった場合の悪影響を考えれば、むしろ、今回の使節団が得た感触により、事前に期待値を現実的なところに修正してもらったほうが、結果的に実りある交渉につながるのでは、との見方もある。
 カルナヴァル明けには、第二段として政府系使節団も東京へ向かう予定になっており、大統領訪日まで、ブラジル側の積極攻勢はしばらく続きそうだ。