1月14日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】国内のホテルが変貌した。エコノミーあるいは超エコノミー級のビジネスホテルが流行し、利用客が急増している。今年から来年にかけて、この種のホテルは五十軒の新設が予定されており、そのうち七軒はサンパウロ市となっている。ビジネスホテルの目玉は何といっても安価なことで、一泊五十レアルから百レアルという手軽さだ。これまでホテルはデラックスなものとされてきたが、イメージが一掃された。ホテル業界によると、ブラジル人の四〇%は旅行を趣味としており、そのうち八四%は安くて居心地の良いホテルを常に物色しているという。このニーズに合ったビジネスホテルは今後も増加する傾向にある。ある大手業者は、人口三十万人の都市にホテルを一軒建設しても採算は取れるとの見方を示している。
ブラジルのビジネスホテルの草分けはフランスに本社を置くアッコール社で、二〇〇一年、サンパウロ市パライーゾ区にフォルムレ1・ホテル(超エコノミー)第一号をオープンした。その後イビス・ホテル(エコノミー)を次々とオープンし、現在三十三軒を数えるに至った。これに加え、同社の計画では二〇〇六年までにフォルモレ1を九軒、イビスを十九軒新設予定だという。さらに将来全国でイビス級ホテルは百軒から百五十軒、フォルモレ級は二十軒から二十五軒の需要が見込まれると予測している。これを受けて人口三十万人の都市に一軒オープンすることを目標に置いている。
イビスの宿泊費は立地場所により異なるが、五十五レアルから九十五レアル、フォルモレ1は六十レアルとなっている。格安価格を維持できるのは、ロビーの空間や客室面積を狭くすることで清掃などの仕事の手間を省き、さらにサービスを最小限度にすることで、人件費が節約できるため。格安価格が受けて客室稼動率は常にイビスで七〇%、フォルモレで八五%の高率を保っている。世界各国にホテル網を展開するアッコール社の中で、ブラジルはフランス、イギリス、ドイツに次いで上位四位の営業実績を上げている。
いっぽうで、アメリカ資本のホテルの経営管理を委託されているアトランチカ・ホテル・インターナショナルは現在、九軒のコンフォート・ホテルと三軒のスリープ・インを有するが、今年中にそれぞれ四軒と二軒を新設する。これらはエコノミー級のため、さらに新たにゴーインの名で超エコノミー級ホテルを建設する。場所はUSP近くの大学都市で、宿泊費は八十レアルを予定している。売り物は十五平方メートルの部屋に一メートル幅のベッドが二つあることで、二つをくっ付けると二メートルの大型ベッドに変身する。このほか二十四時間営業のコーヒーショップや自由に使用できる会議室が用意され、ビジネスマン向きとなっている。
さらにスペインのメリアーホテル系のソールインは、地域密着を目標にカンピーナス、ボツカツ、アングラ・ドス・レイスに超エコノミー級ホテルの新設を今年中に行うことを明らかにしている。