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下議の月給25%アップへ=議長が置き土産=新議長の下、お手盛り案可決か=財政責任法の枠はずれる

1月13日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】任期満了が近いジョアン・P・クーニャ下院議長は十一日、下議の月間手当を一万二千レアルから一万五千レアルに議員室経費を三万五千三百レアルから四万五千レアルに引き上げ、議員室職員を二十人から二十五人へ増員する法案に署名をした。下院は、議長の置き土産「陽気な電車」に沸き立っている。しかし、財政責任法では任期満了に先立つ六カ月間、下院議長は職員増員の権限がない。

 下院議長の置き土産「陽気な電車」の臨時支出は六千万レアルに上り、下院の割り当て予算二十四億レアルには含まれていない。同支出は下院の審議を受け表決待ちだが、財政責任法の枠を外れるため新下院議長は、このお手盛り案の合法性を問うことになる。
 労働者党(PT)公認のグリーンハルフ議長候補はコメントを避けたが、議員手当の調整については前向きに対処する意向のようだ。インフレ率を超過する二五%調整の議員お手盛り案に対しては、異論を唱える良識派も多い。下院予算の範囲で調整される可能性はなく、調整には特別補正予算を組まねばならない。次期議長選をめぐり、与党内に波風を立てた議長だが、「陽気な電車」で悪い印象を払拭したようだ。
 ルーラ大統領は報道官らに、PT内の二派が下院議長の座を争うのは理解に苦しむと述懐した。党の迷走は、党執行部自身が迷走しているためか。政治の農閑期に、PTの票田をめぐりPT議員同士が争っている。PTの面目丸つぶれとなるばかりでなく、政府の印象にもよくないと漏らした。
 グリーンハルフ下議の議長候補で党内をまとめるのは小事で、政府が振り回されるほどのことではないと大統領はいう。なのに大統領のお出ましとはおこがましいと、大統領はギマランエス下議に明かした。グリーンハルフ下議を議長候補に指名した党執行部の決定に、自分はPTの一党員として従っただけだと打ち明けた。
 しかし、ギマランエス下議の心の傷がそれで癒えたわけではないし、候補を断念したのでもない。上下両院の議長選挙は二月十四日に行われる。同下議は格好を付けるための演出でもなく、役職を欲しがっているのでもないと述べた。政治家にとっては、選挙など形式的なものより実力がものをいうと返答した。同下議への処置は生殺しに終わったらしい。
 一方、クーニャ下院議長は任期満了後、サンパウロ州知事選でジェノイーノ党首とPT公認を競う。PTの暑い夏が火ぶたを切り落とす。バンデイランテス宮(サンパウロ州知事)の夢を抱く議員の中には、メルカダンテ上議もいる。クーニャ議長とメルカダンテ上議は共同戦線を張り、ジェノイーノ党首を閉じ込める作戦らしい。
 また下院議長の選出と政治改革を話し合うため、PTとブラジル社会民主党(PSDB)の党首会談が十一日に行われた。ジェノイーノPT党首は、議長選でPSDBの支持を要請した。セーラPSDB党首は多数派支持の方針を表明し、混乱しているPT内の収拾が先決だと述べた。政治改革では、上程中の選挙資金法案と党員の倫理法案について話し合いが持たれた。