グリーンハルフ下議=議長選で巻き返し=現議長の支持得る=対抗馬はすんなり譲らず=造反の背後にミナス勢
1月12日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】議会の要である次期下院議長の選出を巡って足並みが乱れた与党労働者党(PT)は十日、ジョアン・P・クーニャ議長の収拾工作で新しい展開が見えてきた。党推薦のルイス・E・グリーンハルフ下議は、出足の遅れで不利な情勢にあったが、議長の肩入れと党幹部の支援で持ち直してきた。しかし、対抗馬のヴィルジーリオ・ギマランエス下議は、すんなりと党幹部に譲歩する意向がないようだ。
あわや敗退が懸念されたグリーンハルフ下議は、対抗馬ギマランエス下議への巻き返しで、ようやく緒についてきた。クーニャ議長の支持宣言でPT幹部がまとまり、逆転劇の舞台回りが見えてきた。
党員らは、ギマランエス下議の背後で同議長が糸を引いたとみている。同下議はPT内では孤立したが、下院内では相変わらず強い支持票を握っている。同下議は独自候補となる考えをまだ捨てていない。
クーニャ議長によるギマランエス下議への肩入れは、党に対する裏切り行為だという噂がささやかれた。議長は今回の造反劇の責任者とさえ言われた。党内で誤解があるようだと議長は党員に弁明した。
政治力の点ではギマランエス下議が優るが性格的に問題があるとして、グリーンハルフ下議推薦に回ったことを議長は表明した。保養先から急遽、幹部会議に直行した議長はヒゲも剃らず普段着だった。議長選に深く関わっていないことを印象付ける議長の演出と一同は認識した。
ギマランエス下議の背後に議長がいることが党の結束に支障を来すとして、大統領から同議長へ考えを改めるよう命令があったらしい。他にサンパウロ州知事選の候補選びとロゼアーナ上議を入閣させる次期内閣改造でも、同議長は大統領と意見を異にしている。
連立与党は次期議長選出で与党統一候補を望んでおり、PT内の内輪揉めに早く終止符を打つよう要請した。党内意見を直ちにまとめ、地方部へ挨拶回りの遊説を急ぐよう連立与党が進めた。連立与党として疑わしいブラジル民主運動党(PMDB)や大衆党(PP)は、議長としては技量不足だが、PT公認ならグリーンハルフ下議を支持すると頑是ない声明を発表した。
ルーラ大統領はギマランエス下議の友人でベロ・オリゾンテ市のフェルナンド・ピメンテル市長に議長候補の断念を説得するよう依頼した。同市長はミナス出身の政治家から吊るし上げにあうだろうが、党と政府のために馬謖を切ると述べた。同下議には、交換条件の提示があるとみられている。
ギマランエス下議の背後には、ミナス州出身者の支持もあった。政界のミナス勢は侮れない。アレンカール副大統領やジルセウ官房長官を始め、鉱動相、人権相、社会開発相、総務長官などがいる。PT幹部会議で酒癖を咎めた大統領発言が、同下議の心証を害し党執行部への挑戦という形になったようだ。
ギマランエス下議は、同僚らに議長席奪取の野心はないと述懐した。同下議の本望は、PT党首の座を九月に争うことだと述べた。PTが野党であった時代は、抜け駆けが歓迎された。今回のお家騒動はミナスの底力を、ちょっと見せるのが目的だったという。同下議は、税制改革の功労者でもある。