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8日帰国へ 交流基金大野次席

1月7日(金)

 国際交流基金サンパウロ日本文化センターの大野徹次席が、三年四カ月の任務を終え8日帰国する。親しみやすい人柄が評判だった大野次席は五日ニッケイ新聞社を訪れ、「サッカー少年のころから憧れていたブラジル。人々のおおらかさが印象に残っている」と離任を惜しんだ。
 〇二年八月の文楽公演が特に思い出深い。「ブラジル国内三都市を巡業後、メキシコでも公演した。ホールとの交渉など苦労の多い仕事であったが、とても充実していた」と振り返る。
 同センターには現在、アルバイトを含め二十人の職員が働く。世界十八カ国にある事務所の中でも「規模としては大きな方に入るでしょう」。ただ、「中国が台頭してきた分、ブラジル人の日本に向ける視線の熱さに陰りがある」とみる。
 独立行政法人になって二年。「これまでと同じような仕事でも少ない費用と少ない人員でやることが成果とみなされる」改革期も経験した。緊縮財政が強いられる今後は、「基金の性格上、より外交政策に寄与することが重要だが、文化交流はパワーゲームじゃない。人と人との出会いで生まれる文化交流があくまで基本だと思う」が持論だ。
 帰国後は本部の情報センターに配属されることが決まっている。「ブラジルの前にはメキシコに駐在していた。南米での経験を生かしたい」