1月4日(火)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙一日】ブラジルは二〇〇四年にGDP成長率四%以上、年間インフレ率一〇%以下、貿易黒字のGDP比一%以上という三つの指標を同時に、一九五〇年以来五十四年ぶりに実現する見通しとなった。
〇四年はGDP成長率(ブラジル地理統計院)五・一%、消費者物価指数(IPC、経済調査研究所)六・四九%、貿易黒字のGDP比五・五%(開発省)が予想されている。一九五〇年はそれぞれ六・八%、三・七二%、二・七%だった。
一九五〇年は、第二次世界大戦後の米国とヨーロッパ諸国の復興景気という国際的好条件に恵まれた。その翌年以後九七年まで、インフレは一〇%台を割り込むことがなかった。四%以上のGDP成長率は五〇年以降三十五回実現したが、八十五年三月の民政移管以後はわずか七回に留まっている。
GDPが増加し、国民の所得と消費が回復すると、需要に応えるだけの国内生産が十分でないため、輸入は常に増加する傾向にあった。五〇年以降は工業化と国営企業の設立が進んだが、それは財政赤字を増やし、インフレを亢進させた。八〇年代前半に債務危機が発生すると、貿易黒字が優先され、経済成長とインフレ抑制が後回しにされた。九〇年代後半にインフレはコントロールされたが、今度は経済成長と貿易黒字が犠牲となった。
〇四年の好結果の要因として専門家らは、国際的な低金利、米国とアルゼンチンの景気回復、中国の高成長を挙げている。〇五年はインフレ圧力が高まり、経済成長は三・五から四%に低下、貿易黒字は二百六十六億ドルに減少すると予想されている。