13日午後、午後4時ごろ、サンパウロ市北部と西部で降り始めた大雨は、サンパウロ市全体に広がり、市内各所で浸水や冠水を引き起こし、交通をさえぎった。最も大量の雨が降ったのは西部ブタンタン区で、32ミリの降雨量を記録したと14日付伯字各紙が報じた。
午後6時には雨はほぼ収まっていたが、幹線道路のマルジナル・ピニェイロスでは、カステロ・ブランコ方面で3カ所の冠水が起きて渋滞を引き起こし、ブタンタン区のアルバレンガ通りでも冠水が起きた。
サンパウロ州交通工学公社(CET)によれば、この時間帯の渋滞は、通常の平均130キロよりも大幅に長い219キロに至った。この状況は夜8時になっても続き、平常時を上回る154キロの渋滞が記録された。地下鉄も影響を受け、1~3、5号線が減速運転を余儀なくされた。
サンパウロ市西隣のオザスコでは冠水のせいで、家から出られなくなり、孤立状態に陥った住民もいた。
カンタレイラ水系にも降ったが、突発的なにわか雨にすぎなかったので、貯水池の水位に変化は起きなかった。サンパウロ市ではこの週末に強い雨が戻ると予想されている。
気象データ会社クリマテンポの予報士であるダニエレ・リマさんによると、今回の雨は、気温が29度まで上昇したところに南から来た寒冷前線がもたらした寒気がもぐりこみ、強い上昇気流が生じて起こったもので、「前線はリオ州方面に去り、サンパウロ州では週末まで気温が低く、曇って小雨がちらつく天気が続くだろう」と予測した。
2013年にサンパウロ市長ハダジ労働党(PT)市政が1年以内に完成させるとの公約で打ち出した対洪水対策工事79件の内、現段階で終了しているのは27件で、年内の完成が見込まれているものも16件のみだ。