「世界糖尿病デー」の14日、アジェンシア・ブラジルや各紙サイトが糖尿病の実態や予防のあり方などについての情報を提示した。この日の前後は糖尿病に関するイベントが開催される事が多く、建物を青いライトで照らしたり青いリボンを飾ったりして注意を喚起したりもする。
ブラジルの糖尿病患者は1200万人とされ、毎年5千人ずつ増えている。糖尿病はすい臓から分泌されるインスリンが出ない1型と、インスリンの分泌不足か機能が落ちる2型があり、ブラジルでは18歳以上の人の5・6%、35歳以上なら9・7%が2型の糖尿病を患っている。
糖尿病の怖さは様々な病気を引き起こす可能性が高い事で、1型患者が治療を放棄すると急激な高血糖と意識障害を来たす糖尿病性ケトアシドーシスを起こしかねない。
2型は70~90%が高血圧を伴い、心臓病や脳血管障害、腎機能の低下、眼疾、その他の病気を起こす可能性が高い。
心筋梗塞や脳血管障害が起きるリスクは健常者の2~4倍で、世界では糖尿病患者の半数が心臓病や血管障害で死亡しているという。また、患者の65%は、心臓病や脳血管障害のリスクが3倍とされる腎臓疾患を起こす可能性が高いか既に起こしている。動脈硬化や動静脈瘤などによる血行障害で、足や末端部切断というケースもある。
糖尿病は基本的に一生治療が必要(妊娠糖尿病は改善の可能性がある)で、食事や運動などの生活習慣を見直して、上手に付き合う事が要求される。肥満はインスリンの働きを悪くする原因の一つだから、体重増加は血糖値を上げる可能性がある。糖尿病となるリスクは加齢により高まるが、腹部に脂肪がついたタイプの人はその他の人よりリスクが高くなる。
この事は、完全に糖尿病に移行していない人の場合は、運動や食事の改善で糖尿病になるのを回避できる可能性がある事も意味する。糖尿病と診断された時も、適正体重を保つための運動やバランスの取れた食事と正しい薬の使用が、進行を押さえ、生活の質を保つための必須条件だ。
ブラジルでは1年を過ぎると治療を放棄してしまう人が3分の1以上おり、適正な血糖値(食前で70~130ミリグラム/リットル、食後も180ミリグラム/リットル以下)を保てない人も73%いる。低血糖症や高血糖症を起こさないためには適量の薬やインスリンの処方が必要で、定期的に血糖値や血圧を測定する事も助けとなる。
食事は体重調整の意味でも重要で、体重が7%減ると糖尿病に移行する可能性は58%減る。栄養士は、野菜、果物、たんぱく質、穀類を各々4分の1ずつとし、不足分を乳製品で補うような食事をと勧めている。
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