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コラム オーリャ!

  三十一年前、市内のOホテルで、初めて小野田寛郎・元陸軍少尉に会った時のことを鮮明に覚えている。元軍人は前年ルバング島から生還し、移住を決めて初来伯、記者会見したのであった。
 「(ジャングル生活が長かったので)もう、知的な仕事には就けない。この国で、ほかの分野で社会に寄与できれば幸い」―こういう意味のことを緊張した面持ちでしっかりと述べた。「己を知っている」というのが第一印象だった。南マ州カンポグランデ郡内に農場を購入、経営を軌道に乗せてから定期的に訪日、少年たちに枯れ柴や草だけで火をつくる方法など、自然での基本的な生き方を教えていた。
 南マ州への貢献を地域社会の人たちが知っており、州名誉市民に推された。そして軍人の栄誉章を空軍から。〇四年は、第二の故郷から認められた年だった。 (神)

04/12/25