12月24日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十三日】官民合同計画法案(PPPs)は多岐にわたる根回しの後、下院で二十二日深夜、ようやく可決された。同法はブラジル発展のための最重要法案と位置付けされた。ルーラ大統領自身も、法案可決のための折衝に奔走した。下院は同案を〇五年の審議予定に組み込んでいたが、クーニャ下院議長の説得で表決を決行した。同法修正案が上院で前日に可決されていたため、下院の野党も快く応じた。
インフラ整備への投資資金を募る同法は、九十日以内に官報で公示され、続いて第一回入札の公告がある。最も急務とされるのは港湾や道路、鉄道といった運輸インフラの整備。二十三件の整備計画が、二〇〇七年までに完成予定となっている。
大統領は〇四年をPPPs承認で締めくくり、満面の笑みを隠せなかった。成すべきことを成したことで、クリスマスと正月を国民全員と祝えると感激した。〇五年はブラジル経済飛躍の年と銘打った。
官民合同計画法の要旨は、一、官民合同によるインフラ整備許可権と整備施設使用料の徴収を含めた管理権を民間に付与する。
二、政府の出資は経費を含め、年間歳入の一%以下。
三、政府は地方自治体に事業権限の保証や譲渡をしない。
四、同法による事業契約に先立ち、地方自治体は出資率内容を報告する。五、同法の適用は二千万レアル以上の事業とする。
六、政府の出資率は、経済社会開発銀行出資や年金基金も含めて八〇%以下とする。年金基金が出資しない場合は七〇%以下とする。
七、政府と地方自治体が七〇%を超えて使用料を徴収する場合、政府出資は議会の承認を得る。
八、政府出資の保証は、保障基金が裏書をする。同基金の保証は六十億レアルを上限とする。
九、同法の適用期間は、三十五年を期限とする。同法は公共工事や請負業務には適用されない。
十、同法による契約は、入札価格と参加企業の技術水準で判定委員会が選考する。
同法修正案が前日に上院を通過したのは、下院への援護射撃になった。同法修正案は財政収支法にも適合し、従前の入札回避工作も防止できる仕組みだ。官民合資とはいえ、親方日の丸ではない。民間出資者も投資リスクを負い、不始末はウヤムヤにならない。
同法が北東部や北部地方の低開発地域の事業に適用された場合、官側の出資比率は九〇%に達する可能性がある。上限を八〇%以下に抑えたのは意義が大きい。〇七年までに完成予定の二十三件にのぼるインフラ整備に、政府は百三十一億レアルをつぎ込む考えだ。
PPPsの承認を受けて、民間の建設部門は祝杯を挙げた。〇五年は投資回収基準法の行方を見守る。同法は〇五年に投資回収基準について細部の調整が行われ、施行されるのは〇六年とみられる。未着手の手続きとして、労働組合代表と年金基金投資に対する回収の保証協議がある。これまで公共工事で立て替え負担した工事費の決済は、二年の遅延がザラだった。