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充実『大豆食キャンペーン』=来年10周年、農協婦連=知名度ぐんと高まる=次世代も関心持ち出す

12月21日(火)

 ブラジル農協婦人部連合会(ADESC、上芝原初美会長)は、年が明けると結成十周年を迎える。親睦的な組織として一九九四年に動きだし、翌年に今の正式な組織となった。南米最大の農協として一時代を築いたコチア産業組合が任意解散(九四年九月)して、六十七年の歴史を閉じた最悪の事態の中で、新たに芽生えた主婦たちの連帯活動が、わずか十年を経ずして、近隣諸国や日本にもその存在が知られるまでに成長した。
 今年で十一回目を数えた(社)家の光協会が主催する「世界こどもの図画コンテスト」に、第一回目からブラジルの子供たちの作品を送り、数万点の中から多くの金賞、銀賞受賞作品を出して、この国の子供たちの感性と能力の高さを世界に誇示する役割を果たしてきている(本紙・〇三年十月七日、〇四年六月二十六日報道)。
 今年六月には、日本の四十七都道府県に百十万人余の会員を擁するJA全国女性組織協議会(峰島歌子会長)代表団二十名を迎え、親善交流会を成功させた(本紙・六月十七日報道)。この結果は、月刊誌『家の光』十月号に特集記事として掲載され、JA(農協)組織を通して日本各地の農家に広報された。
 ADESC会員が作る手芸品(カゼイロ)は完成度が高いうえに、一点一点がオリジナル作品とあって日本でも好評。新年一月下旬に東京で開催される全国大会に合わせて、JA全国女性組織協議会より大量の注文が届き、一月中旬の発送に向けて会員たちは製作に多忙だ。去る六月の交流会を通して、日本人女性たちの嗜好に理解を深めることができたのが今年の強み(栖山マリーナ指導員談)のようだ。
 去る十二月八日と九日の二日間、サンパウロ市内SBC病院駐車場で実施した第八回「おふくろの味」年末バザー(本紙・十二月九日報道)も大盛況に終わり、会員たちの連帯意識が更に強化された。今年は卸売市場(セアザ)で営業している日系農家五十名(野菜三十五名、果物十五名)から新鮮な野菜や果物を提供してもらったという。背後で婦人部の活動に対する支援の輪が広がっている一面だ。
 〃おふくろの味〃のポ語調理本は、邦字紙による広報に支えられて、遠隔地からも含めて、注文が続いているようだ。モノを売るだけでなく、より良いもので消費者の需要に叶うもの、を作る勉強会も進んでいる。たとえば、大豆だ。豆そのものは煮るのに時間がかかり、健康に良い、と分かっていても、忙しい主婦にはなかなか時間が取れないという悩みがある。その悩みを解消する一助として、煮た大豆の袋づめ、あるいは、煮豆を冷凍する研究が会員同士で始まっている。味付けや調理方法は主婦に任せる。これによって、家庭の台所の主である主婦の顔も立つ。
 八回目となる県人会連合会主催の日本祭り会場は、来年はイミグランテ展示場になりそうだが、それに向けた『大豆食キャンペーン』の準備作業がすでに始まっている。新年一月下旬には、パラグァイのラパスとイグアスー両移住地に親善交流の旅を企画している。両移住地の婦人たちに第八回日本祭への参加を呼びかける腹案も持っているようだ。
 もう一つ、結成十年の前夜に嬉しい傾向がある。次世代と言われる娘や嫁たちが徐々に関心を持ち始め、バザーなどにおけるママイの姿を自発的に見に来るようになったことだ。製品の中身の充実、初心回帰、大豆食キャンペーンの展開、おふくろの味・調理本の普及、と連帯活動の十周年を迎える女性たちは”元気印”そのものだ。
ADESC/Associacao Cultural dos Deptos.de Senhoras Cooperativistas,
Av.Querez Fiuto,1536,Vila Leopoldina,Sao Paulo,Tel/Fax:3835-6775