12月17日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙九日】ブラジルの農産物輸出は一部で国際相場の下落に直面しながらも、本年累計で三百六十億ドルを超え、史上最高の販売実績を記録した。これにともない農業部門の貿易黒字も同じく史上最高となった。また農産物は輸出全体の四一・三%を占め、大黒柱となった。
今年一月から十一月までの農産物輸出総額は三百六十億三千七百万ドルとなり、昨年同期の二百七十八億八千九百万ドルを二九・二%上回る史上最高となった。いっぽうで輸入は累計で四十四億五千九百万ドルとなり、昨年同期の四十三億七千百万ドルに対してわずか二%の増加をみた。これによりの農業部門の貿易黒字は三百十五億七千八百万ドルとなり、これまでの新記録を樹立した。
昨年同期は二百三十五億一千七百万ドルの黒字だったことから、本年は三四・三%の伸長となった。十一月の単月では、輸出は二十九億八千三百万ドルで、昨年同月比で二六%増加した。また貿易黒字は二十五億四千九百万ドルとなった。(昨年は五億八千三百万ドル)。これを受けてロドリゲス農相は、貿易黒字は本年末の時点で三百三十億ドルを計上するとの見解を明らかにした。(昨年は二百五十八億四千八百万ドルだった)。
農務省によると、今年の販売増加はメルコスル圏内(二〇・七%)、EU圏内(二二・五%)、中近東を除くアジア(三九・九%)中近東(三八・九%)、アフリカ(五二・九%)と一様に上昇した。また輸出総額の三四・五%はEU圏内に、二〇%はアジア諸国に仕向けられた。
輸出の目玉はやはり大豆(一次産品、大豆油、粉も含め)で、十一月までの本年累計は九十七億六百万ドルとなり、昨年同期の七十六億二千二百万ドルに対し二七・三%上昇した。次いで肉類が五十億四千四百万ドル(昨年は三十三億二千万ドル)で五一・九%の増加となった。肉類の大手買い付け先の一つのロシアが口蹄疫発生のためブラジル産牛肉の輸入全面解禁に踏み切っていないことで、農務省筋は焦りを見せていたが、十一月単月での輸出は四億八千万ドル強と二三%の増加となったことで、一安心している。
肉類の国際相場は十一月に入り八・三%の下落を見せたことで、輸出数量は五一・九%増加したものの、金額は四五・七%増にとどまった。同省では価格が下落しても数量でカバーできたのは、業界体質が強化された証だと強調している。鶏肉は一〇・三%の増加だった。