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マンション強盗が流行=手口の巧妙化、凶悪化=銀行強盗や誘拐から鞍替えか

12月11日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十日】サンパウロ州で最近マンション強盗が流行の波となっているため、当局は警戒を呼びかけている。九日までの二十四時間内にサンパウロ市のアクリマソン区とピニェイロス区で相次いで強盗事件が発生している。
 侵入の手口も巧妙となり、住民に暴力をふるうなど荒々しさが目立ってきた。今年に入りサンパウロ州内で三十件のマンション強盗の被害届が出されているが、実数はさらに多いと見られている。
 これまで三つの犯罪グループが検挙されたが、これらグループのみで二十七件の強盗事件が確認されている。また当局では五人の組織リーダーの身許を突き止めているにもかかわらず一人しか逮捕に至っていないことから、残り四人は暗躍し、さらに事件は多発すると警戒を強めている。アウキミンサンパウロ州知事も事態を重視し、取締り強化を指示した。
 サンパウロ州組織犯罪捜査課(DEIC)は、これまで銀行強盗や誘拐などを主業としていた犯罪者らが、盗みの分け前が多くかつ逮捕のリスクが少ないマンション強盗に転業(?)し、組織の一味に加わったのが多発の原因と指摘する。同課は今年に入り五十人の強盗団を逮捕しているが、犯罪は増加傾向にある。サンパウロ州内では今年三十件の被害届が出されているが、サンパウロ市内では過去三十日間に六件発生している。
 同課では五人の組織リーダーのうち一人を逮捕しているが、十七件のマンション強盗を自供したという。その中にはモエマ区で発生した現金や宝石総額百万レアルの被害も含まれている。このため他のリーダーを追及すると同時に、この種の犯罪を優先的に捜査するとしている。
 アウキミンサンパウロ州知事は取締りの強化を指示するとともに、防犯対策として、マンション住民代表や従業員を定期的に召集し、防犯の心構えや軍警との連携などについてのセミナーを開催すると公表した。
 九日に発生したサンパウロ市アクリマソン区カストロ・アルベス通りの四人組マンション強盗は、住民の自家用車と同一型の車で、しかもナンバーも同一のものを偽造して守衛を欺き、マンション内に入るという手の込んだものだった。一味はエレベーターホールや駐車場で住民を拉致した上、一人づつ自室を開けさせて金品を強奪して逃げ去った。一味は住民らを威かくするため女性を含む四人に乱暴し、軽傷を負わせた。
 いっぽうでピニェイロス区ではどのように侵入したかは不明だが、部屋を開けさせ、住人をしばり上げて物色中のところをたまたま向いの部屋の住人が目撃し、警察に通報した。パトカーのサイレンで犯人二人は逃亡、被害はわずかの金品で済んだ。