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「勤勉」と「分福」贈る=西村農工校で21回目の卒業式

12月9日(木)

 ポンペイア西村農工学校(西村俊治代表)の「第二十一回卒業式」が、四日午後七時から行なわれた。保護者ら約八百人が同校体育館に集まり、卒業生三十七人の晴れの日を祝福。アルヴァロ・プリゾン・ジャヌアリオ・ポンペイア市長や山口克己サンパウロ領事、石橋隆介JICAサンパウロ支所次長らが来賓として出席し、西村代表からは「わが校で培われた勤勉の精神と分福の思考はきっと貴君達の将来を豊かな明るいものにしてくれると私は信じております」との言葉が贈られた。同校の卒業生は延べ六百九十一人となった。
 午後七時半ごろ、割れんばかりの拍手と歓声に迎えられて、揃いのスーツを着た卒業生が入場。
 卒業生を代表してジュリアノ・コスタ・ガルッチさんが、両親や教師、三年間を共にした友人、西村代表への感謝を述べると、他の卒業生たちも目頭を押さえながら聞いていた。
 壇上で、後援者のジョゼ・ロベルト・ポスタリ・パラ氏から卒業証書を手渡され、西村代表、西村ジョージ氏と固い握手を交わすと、三十七人が思い思いにガッツポーズ。学業成績優秀者にはペドロ・セルジオ・シモネチ・フィーリョさん、「メリョール・アミーゴ・ダ・ツルマ」にはチアゴ・タムラさん、最優秀生徒にはレナン・ザラントネロさんが選ばれ、表彰を受けた。
 続いて、卒業生から教師や両親に感謝の気持ちをこめて記念品などが手渡された。銀色の紙吹雪が舞う中両親と涙を流して抱き合うと、卒業生たちの喜びも最高潮に達した様子。「母親にその場でバラの花を手渡したことで温かい雰囲気になった。すばらしかった」と出席者の一人は振り返った。
 八日に満九十四歳を迎えた西村代表の後継者に決まった六男ジョージ氏は、「今日ここに集まったのは、みんな友人です。父はブラジルに、わが校に対して深い愛情を抱いています」と挨拶した後、西村代表の祝辞を代読。「勤勉」「分福」などの言葉が餞の言葉として送られ、近く開校予定の「智恵子職業学校」については「ポンペイアの青少年の将来のため発展と向上を願ってのもの」と紹介された。
 卒業生一同が肩を組んで歌を歌い、晴れやかな笑顔で退場して式典は終了。会場を移して、夕食会が催され、家族でテーブルを囲み、夜遅くまでにぎやかだった。
 今後、卒業生のうち二十六人が北米研修、十一人が国内研修を行う予定。