12月7日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】サンパウロ市中心部の路上で会話中の携帯電話を集団で取り囲んで強奪する犯罪が多発している。最近はビアドゥット・ド・シャー(日本人の間ではお茶の水橋と呼ばれている)近辺が舞台となっている。
警察によるとこの種の犯罪で昨年から約五百人が逮捕され、盗まれた携帯電話一千二百台が押収されたという。六日付のエスタード・デ・サンパウロ紙は犯行現場を撮影した写真を掲載した。それによると、一味は女性三人(一人は妊娠中)と男一人。携帯電話で話し中の若者の後をつけ、素早く電話を手からもぎ取ると、残り三人が被害者にぶつかったり押し合ったりして注意をそらす間に電話を手にした一人が逃げ去る手口だ。
警察によると、一味は最低でも女六人男八人で、通行人を装いながら「カモ」を探し、合図とともに集団行動を起こすという。撮影した記者によると、数日前、市立劇場前で記念撮影していた数人の日本人観光客が各自手にしていたカメラやカメラ付き携帯を見て、たむろしていた一味が殺到したが、運悪く(?)パトロールの警官が来たため涙を飲んで犯行を中止せざるを得なかったという。観光客らは何も知らずに迎えのワゴン車に乗って立ち去った。
警察では、とくに人ごみの中で歩きながらの交信は避けること、必要な場合は近くの店やバールでコーヒーを飲みながら使用することなど、注意を呼びかけている。携帯電話は五十レアルから七十レアルで盗品買いの手に渡るが、最新モデルはさらに高値がつくという。