生まれは一九〇七年十二月、笠戸丸移民来伯の半年前になる。今年の「高松宮殿下記念世界文化賞」を受賞した建築家オスカー・ニーマイヤー氏の九十七回目の誕生日が近い。
先日リオ・コパカバーナを訪ね、海岸線を一望におさめる同氏の仕事場を見上げた。そこでいま「胎動」しているのが、日本移民百周年記念碑だ。リオ日伯文化体育連盟の代表らが三顧の礼で、デザインを依頼したと聞いた。
地元日系社会では〇八年、国立歴史博物館での日本移民展開催を目指し、常設を念頭に入れた青写真を描いている。さらに、リオ邦人移住史の編纂作業も進行中だ。いずれも自律的で、「身の丈」にあった堅実な百周年プランである。
対して、ゴタゴタ劇がくり返されるサンパウロ市。その混迷ぶりを見ていると、溜息は深く、深くなる。 (大)
04/11/30