北パラナの日系団体と大手銀行とは、まるで〃蜜月〃のようだ。さきごろ、ロンドリーナ日伯文化体育協会(アセル)が、二百人からの参加者があるイベント「高齢者の集い」に、同市内I銀行中央店のサロンを借用した▼銀行側のあいさつがこうだ。「前回の集いにも大勢の方々が参加して下さった。今回も心待ちにしていた。あなた方は、もはやお客様でなく、家族です」。熱い歓迎というべきである▼「商売だろう」と言い捨てることもできる。実際、銀行側は、主催者に働きかけて、時間を割いてもらい、参加者に対して、資金の有利な運用方法を説明している。これは、少しお金がある人たちには、大いに大切なことで、高齢者たちは、真剣に話に聴き入っていたそうだ▼大手銀行は、すでに日系デカセギの送金、さらにその運用を相談するために特別の窓口やサーラを開いている。マーケッティングで、日系人と付き合うことに「利あり」と判断した結果であろう。だとすれば、日系人側も応じて付き合えばいいということだ。つまり、持ちつ持たれつ▼南米銀行が存在したころ、同行側が「コロニアと共に」を惹句としていただけあって、コロニア団体の事業に対してさまざま支援してくれた。今、南銀を吸収した銀行が、日系人の顧客を大事にしようという姿勢を見せ、申し込み次第では援助をしてくれるようだ▼アセルにように、ぴったりとはいくまいが、部屋借り代が高い昨今、この面から働きかけを試みてはどうか。 (神)
04/11/26