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風邪ワクチンを国産化=世界的供給不足を補う

11月19日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】アウキミンサンパウロ州知事は十日、サンパウロ市内の州立ブタンタン研究所で風邪ワクチンを製造することを発表した。風邪ワクチンの国産化は、国内はもとより南半球でも初めてとなる。ワクチンはこれまでフランスから輸入され、六十歳以上の人を対象に全国で無料接種が行われている。国産品には二歳以下の幼児用も含まれる。また同ワクチンは世界的に供給不足の傾向にあり、それを補うことにもなる。
 同知事によると、新工場は州が所有する約一万平方メートルの敷地に建設され、今月末に着工、完成には十一カ月を要する。生産は来年末となり、〇七年から使用に入る。州政府が千九百万レアルを投じるほか、連邦政府は製造機器などの代金三千万レアルを肩代わりする。
 これまでフランスから購入していたが、これにより毎年一千万レアルの節約が可能との見方を示している。政府はブタンタン研究所から製品を買い上げ、高齢者や幼児に無料配布する。この収入で同研究所は、新製品の開発や技術を推進する。
 同研究所によると、新ワクチンはアメリカの保健機関の技術援助を受け独自に開発したもので、二カ所の製造ラインで計四千万滴を製造する予定だという。また、ワクチンは世界的に不足傾向にあり、とくにイギリスの大手工場が閉鎖されたことから、北半球の各国では供給不足が生じている。そのためブラジルからは半量の二千万滴を輸出することになると予測されている。