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ガソリンを抜き取り検査=6割が違法販売=純度30%の粗悪品販売も=サンパウロ州

11月12日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】サンパウロ州で販売されるガソリンの半数以上が、混合物の多い純度の低いものであることが明らかにされた。州保安局が州内二百三十八カ所のガソリン・スタンドで抜き取り検査を行った結果、六〇・九%に当たる百五十三店が違法で摘発された。悪徳営業店は十一日付新聞紙上で公表された。検査は州立化学研究所で行われた。
 脱税の疑いもあるため検査は州税務局と合同で行われ、取りあえず州内のガソリン・スタンドの一〇%を対象に飛び込んで抜き打ちに検査する方式が取られた。抜き取られたガソリンは二つの容器に入れられ、一つは研究所へ回され、残りは証拠物件として保管された。
 検査の結果、半数以上の店が、アルコールや溶剤を規定量以上に混合している事が判明した。なかには混合物が七〇%にも達し、ガソリン純度は三〇%という悪質なものもあった。アルコールの混合量は最高二五%(プラス・マイナス一%)と定められている。
 スマレー市では三十三店のうち十九店が違反し、サンカエターノ・ド・スル市では半数に上った。これを受けて当局は違反店が多いことに驚きの色を示し、全州では四〇%以上が悪質販売をしている可能性があるとみて、さらに取り締りを続ける方針を固めた。また責任の所在を突き止めるため、組織犯罪捜査課に刑事告発を行った。燃料マフィアと呼ばれる組織が九日に連警により逮捕されたばかりで、関連を調べるとしている。
 また石油庁は全国で百五十社のガソリン配給会社を公認しているが、それらを全て調査するとともに、営業店の監視官を現在の五十六人から三百人に増員することを明らかにした。規定の純度七五%を守っている営業店は、コストが一リットル当り一・八一レアルなのに一・七九レアルで販売している店があり、数度告発したが、監視官は現われなかったと不平を口にしている。
 税務局は、不正販売に伴う脱税で、州は年間五億レアル、国に至っては五十億レアルの損害を受けたと説明している。