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熊本県=県費留学制度存続に熱意=国際課職員を派遣し説明

11月6日(土)

 地方分権に伴う財政難から県費留学生制度を縮小廃止する県が多い中、〃移民大県〃の熊本県では留学生受け入れ枠の現状維持に努め、研修修了生の追跡調査を行なうなど、存続に積極的な姿勢を見せている。県は昨年に引き続き、国際課職員二人をブラジルに派遣。三日、ブラジル熊本県文化交流協会(福田康雄会長)会館で開かれた県人会員との懇談会で、制度の存続発展に熱意を示し、県人会に対しては自助努力も求めた。

 県民アルゼンチン移住開始七十五周年記念式典に参加後、来伯したのは同県国際化課長の山本理(おさむ)と、同課職員で日系アルゼンチン人二世の松村るみ子さん。
 「現状を維持し、門戸も解放していきたい。そのチャンスを捕まえる努力がしたい。百周年はそのための一つのチャンス」と山本課長。
 「人を作るのは時間がかかる。そのうち成果が生まれることを期待したい」と留学制度の存続に熱を見せる一方で、「県の方で全てを負担していくのは厳しい状況です。互いに努力が必要」と、県人会に対しても自助努力を求めた。
 山本課長らは三日午前、同県の県費留学制度終了生に会い、制度の追跡調査も行った。「県民の税金でやっている事業なので、本当に役立っているのか、それを確かめるのは当然の仕事」と調査の意義を説明する。
 今回は、日立系列の日系企業で働く終了生を訪問した。「日本語もポルトガル語も出来ることから、よい人材を作っているとの評価を社長から得ました。その人材を熊本県として出せたことを誇りに感じています」と語る。
 懇談会終了後、山本課長は「(県人会の)活動を理解してくれる人を県に増やす必要がある。それをブラジルのみなさまの方でも積極的にやって頂きたい」とし、熊本県人会が最近、ブラジル熊本県文化交流協会に名称を変更したことには、「交流という言葉に自立の意志が感じられる」と山本課長は期待を込めた。